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我が家の地下にレアダンジョンができたんですが・・  作者: エクスボーン


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第百四十五話 司祭様

「・・えっと、話は終わったのか? それにしちゃギルマスがここに居るのがわからないが」

「ちょいと話の流れで教会に行かなきゃならなくてな。残念だが俺の昼飯は後回しだ」


 折角トーマスに奢ってもらえたのに残念だがこっちの方が優先だ。

 丁度ちみっ子達も席を立ったのでこのまま行くとしよう。

 その前に三人の汚れている口を拭いてやる。この汚れ方はパスタでも食べたのだろうか?


「みんな、ちゃんとシェリルにお礼を言いなさい」

「しぇりる、ごちそうさまなの」

「・・ごちそうさま。美味しかったわ」

「お腹いっぱいだよ、ありがとう」


 ちみっ子達にお礼を言われたシェリルは顔面崩壊レベルで表情がとろけている。


「いいのよ。あなた達にならいつでもご馳走してあげるわ」

「こいつは精霊に貢いで破産しそうだな・・」


 ゆるゆるなシェリルに対してトーマスがそう口にした。

 精霊喫茶とか出来たら毎日通いそうだもんな・・


「じゃあ行こうか。みんなまたな」

「おう、またな〜」


 『虚空』の皆に挨拶をしてソフィアさんを先頭に俺達はギルドを出た。

 そういえば教会はどこにあるのだろう? 広い街だから離れた場所にあるかもしれない。


「一番近い教会はすぐ近くにあるわよ」

「ん? 教会っていくつもあるのか?」

「大きな街だもの、一つしか無かったら不便じゃない。冒険者ギルドみたいに東西南北と中央の五つがあるわ」


 そりゃそうか。一つしか無いと住んでいる場所によっては移動に時間がかかって仕方ないもんな。

 そうなると他の公共な機関も同じ感じなのだろうか?

 せっかくなので聞いてみた。


「そうね。主要な建物は馬車のターミナル近辺にあるわね。あそこに商人ギルド、あっちには建築ギルドとかね」


 ソフィアさんが指差す先には確かに民家ではない大きな建物がある。

 交通網といい主要機関の配置といい、どこか地球の街に近いものを感じる。

 ラノベだともっとバラけて建てられているイメージだが、文明が進むとこんな感じになるのだろうか?

 そうなるとそのうち鉄道も出来そうだな。蒸気機関車(SL)ならぬ魔導機関車(ML)とか。


「ちなみに教会はあそこよ」


 冒険者ギルドから100mほど先。

 ソフィアさんが指さした建物はなかなか立派な彫刻が彫られた教会だった。

 建物の屋根にはわかりやすく十字のオブジェが飾られている。


「司祭様のお時間が空いてればいいのだけど・・」

「教会ってそんなに忙しいのか?」

「これだけ大きな街なら、それに比して教会を訪れる人も多いわ。盛況ってわけではないけど忙しい日もあるそうよ」


 教会が盛況ってのは違和感しか無いが、やはり懺悔やお祈りをしに来る人は多いのかもな。

 話しながら歩いているとあっという間に到着した。近くだしね。

 俺達は開放されている教会の立派な扉をくぐり、ミサなどを行うであろう横長の席が並ぶ通路を歩いていく。

 俺達以外には、席に座って話している人や正面に祀られている神像に祈りを捧げている人などがいる。

 そこまで混んでいる感じはしない。


「これなら司祭様に見てもらえそうね」

「あんまし待たされるのも嫌だしな」


 ソフィアさんは近くにいたシスターに声をかけて要件を伝えた。

 シスターはそのまま教会の奥へと入っていく。司祭様に聞きに行ったのだろう。

 数分後。


「司祭様がお会いになるそうなので、こちらへどうぞ」


 奥から戻ってきたシスターが俺達を司祭様の下へと案内してくれるようだ。

 そのまま大人しくシスターの後に付いていく。

 先ほどシスターが通った礼拝堂奥の扉をくぐり、部屋を三つほど通過したところでシスターが立ち止まった。

 特に変哲もない扉。一般の人が入る所はしっかりしているが裏側は普通の建物と変わらないようだ。


「タクマ司祭様、お客様をお連れしました」

「お入りください」


 シスターがノックしてそう告げると、中から男性の老人の声で返事があった。

 そのままシスターが扉を開けてくれたので俺達は部屋の中に入った。

 ちなみに彼女は中に入らずに、扉を締めて立ち去ったようだ。


「はじめまして。この教会の司祭を務めるタクマと申します」

「私は冒険者の豊です。よろしくお願いします」


 白髪で同じく白いヒゲを蓄えた優しそうなお爺さん。それがタクマ司祭だった。

 恰幅が良ければサンタクロースにも見えたかもしれない。


「ソフィアさんもお久しぶりですね。お元気そうで何よりです」

「司祭様は活発に活動されてますが、ご自愛くださいね」

「ふふ。私は神の僕。体が動くうちは布教に努めますぞ」


 割と高齢に見えるが、背筋は伸びているしまだまだ現役な方のようだ。


「そしてそちらが話にあった精霊様ですな」

「みーちゃんなの!」

「・・ちーちゃんよ」

「ふーちゃんだよ」

「ははは。何とも可愛らしい精霊様だ。生きているうちにお会いできるとは思いませんでしたよ」


 タクマ司祭は目を細めてちみっ子達を見る。まるで孫に会ったお爺さんのようだ。

 司祭がちみっ子達の頭を優しく撫でてると、ソフィアがちょっと羨ましそうにしながらも口を開いた。


「するとその子達は間違いなく?」

「ええ、精霊様ですよ。しかも顕現されるほどの高位の精霊様です。私も長い人生で初めてお目にかかりました」


 あらヤダ。この子達高位なんですって。

 そういえばヨセ山で会った精霊も姿が見えていたな。大精霊に進化出来るのは顕現できるレベルの精霊だということか。

 ってことは、うちのちみっ子達も遠くないうちに大精霊になるのか? そうなるとさすがにうちにはいられないよな。

 結婚して家を出る娘を持つ父親の気持ちが少し分かってしまった。

 ・・ちょっと泣きそうです。

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― 新着の感想 ―
[一言] ]_・)勝手に娘を嫁に出す父親になってるが、嫁に行かないと思う………………(笑)
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