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我が家の地下にレアダンジョンができたんですが・・  作者: エクスボーン


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第百三十一話 異世界ハイエース

 エルフの村を北側に抜けて、一路ヨセ山を目指す。

 ちなみに村で地図を買おうと思ったが売ってなかった。

 仕方ないので冒険者ギルドを出る前にカイエンにコピー用紙とボールペンを渡し、簡単な地図を書いてもらった。

 まあお約束というか、紙とペンにカイエンは大層驚いていたのでペンをそのままと紙を百枚ほど地図のお礼にあげた。

 カイエンはもともと旅をするタイプの冒険者だったらしく、さらにペンと紙のお礼だと言って知ってる限りの世界地図を書いて、各地域の特徴や注意事項なんかを書き込んでくれた。

 簡単な地図だったのが地球の◯き方レベルの攻略地図になってしまっている。

 まあ問題として書かれた文字を俺は読めないという事があるが、ちみっ子達が読めるので大丈夫だろう。


「村からヨセ山までが徒歩で四日か。時速四㎞だとすると一日大体三十㎞。四日で百二十㎞ってところか」


 山までの距離をざっくりと計算してみた。

 森さえ抜ければ車で二時間くらいで着くかな。


「・・地球のゆーちゃんの街と違って暗くなるとほとんど見えなくなるから、それまでにキャンプの準備をしたほうがいいわ」


 なるほど。街灯なんかないし月明かりのみということか。

 ・・ん? 月はあるのかな?


「そうなると山裾で一泊して明日登山かな」

「そのほうがいいの。よるはきけんがあぶないの」


 無理に入山して遭難なんてシャレにならない。

 ちみっ子達もいるのだから無理は禁物だ。


「とりあえず目の前に出てきた魔物以外は無視だな。さっさと森を抜けよう」


 ちなみに今回のポジションはちーちゃんが肩車で、みーちゃんとふーちゃんがダイフク乗車となっている。

 右手でダイフクを曳きながら、ランニング程度の速さで進んでいく。

 魔物が居たり時間がなかったりでなければ、いい森林浴になっただろう。

 都心ではこんな森の中をランニングなど出来ないからな。


「・・そのうち時間に追われずにゆっくりしに来ましょう」

「そうだな。せっかくの異世界だものな」


 俺の心を察したのか、ちーちゃんが頭の上からそう言ってきた。

 異世界探訪もそうだし、『ガーデン』の攻略もだし、『水神社』が復活したらそこにも潜りたい。

 やりたい事がたくさんあるのは幸せなことだ。




 その後休憩しつつ二時間ほどで森を抜けることが出来た。

 幸いなことに道中魔物には遭遇しなかった。

 

「よし、ここからは車で行くぞ」

「まってましたなの!」


 肩車とダイフクからちみっ子達を降ろして、アイテムボックスからハイエースを取り出す。

 俺のハイエースが異世界にあるとは何だか感慨深いものがあるな。


「さあ乗り込め。ここには道交法はない。信号もない。爆走するぜ!」


 眼の前の平原にはヨセ山に続く道が伸びている。

 歩いてる人も馬車も見える範囲にはいない。これであれば車でヒャッハーしても何の問題もない。

 助手席にふーちゃんが乗り、みーちゃんとちーちゃんはベッドに腰掛ける。

 道は見渡しがいいので、人や馬車が見えたら少し道を逸れて躱していこう。


「出発進行~!」


 ふーちゃんの掛け声で車を発進させた。

 時速は五十㎞で走行する。もっと出してもいいが、予定通りならこの速度でも二時間ほどで到着する。

 途中分岐が一か所あって、山じゃない方に進むと村があるらしい。

 ちなみにヨセ山を越えたら隣国に入るそうだ。


「あのずっと先に見えてる山がヨセ山なのかな?」

「多分そうだね。ちょうど進行方向の先にあるし」


 標高とかさっぱりわからないが、そこそこの高さの山がうっすら見えている。

 みーちゃんとちーちゃんも運転席と助手席の間から前の景色を覗き見る。

 ずっと平原。ずっと平原。ずっとh・・


「眠くなってくる・・」

「ねたらだめなの! らじおでもきいてめをさますの!」


 なるほど。早速ラジオのスイッチを入れて・・


「聞けるかーい! どこに放送局があるんだよ!」


 眠かったのもあり、みーちゃんの言葉をそのまま実行してしまった・・

 しかし目を覚ましたいので、ラジオではなく入れっぱなしのCDを再生させた。

 いつも聞いてる90年代のベストヒットのCDだ。

 最近の流行の曲は全然わからないが、子供の頃に聞いてた曲は結構耳に残っているものだ。


「~♪~♪」


 曲に合わせて軽く歌いながら車を走らせる。

 ちみっ子達も曲のサビなどわかるところでは一緒になって歌ってくれる。

 車内はプチカラオケ大会だ。


「眠くはなくなったが、緊張感も全くないな」

「・・この速さで走ってたら、魔物も盗賊も襲ってこれないもの」

「敵は睡魔だけだね」


 高速道路以上に代わり映えのない景色。

 救いなのは多少舟を漕いだとしても特にぶつかる物もない事か。

 対向車どころか対向車線もない。

 もっともそのうちに人や馬車が現れる可能性はあるから気を付けなきゃだけど。

 しかしそんな心配も結局杞憂となり、誰にも合わないままヨセ山まで走ったのだった。

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