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我が家の地下にレアダンジョンができたんですが・・  作者: エクスボーン


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第百二十二話 ピザピザピザ・・

 俺が子供の頃、今ほどピザのデリバリーは一般的ではなかった。

 そもそも『デリバリー』なんて言葉は使ってなく『出前』と言っていたものだ。

 代表的な出前といえばそば屋・ラーメン屋(てか中華料理屋)・寿司屋といったところで、そこに参入してきたのがピザだった。

 テレビCMをじゃんじゃん流し始め、店の知名度アップのためか『配達時間が30分以上かかったら無料』なんていうキャンペーンをやっていた。

 当時は今ほど高層ビルやマンションもなく、俺の家からも隅田川花火大会の花火が見えたほどだ。

 そんな頃なので今よりかは配達は簡単だったのかもしれない。

 きっとそんな企業努力もあって、今ではピザはデリバリーの主力の一つとなっているのだろう。

 昔を懐かしむのはこれくらいにして、つまり何が言いたいかというと・・


「すごいの! おにくがいっぱいのってるの!」

「・・色々なきのこが乗ってるのもいいわ」

「カニとエビがたくさんなのも食べたいよ!」


 今では紙媒体のチラシを見て電話するのではなく、ネットでポチればすぐに届くのだ。

 そりゃ『出前』が『デリバリー』になるわけだ。

 ノスタルジーに浸るのもいいが、進化し続ける便利さも大事なこと。

 しかも商品の種類も豊富で、俺もちみっ子達もさっきから目移りしてしまっている。

 とりあえず空腹が我慢ならないので、一人一枚ずつ選んでみんなで分け合うことにした。

 ちみっ子達は先程言っていたピザを。俺は五種類のチーズの乗ったピザ。

 それともう一枚、四種類の味が楽しめるピザを注文した。

 更に飲み物でコーラも頼んだ。やはりピザにはこれでしょ。

 お届けまでの時間は約30分だそうだ。安全運転で来て下さい。


「ゆーちゃんはぴざはつくれるの?」


 みーちゃんのその言葉に、ちーちゃんとふーちゃんも期待の眼差しを向けてきた。


「本格的なのは無理だな。家庭で作るなら冷凍の生地を買って来るか、食パンを使ってピザトーストにするかだな」


 やはり味の研究を重ねて、専用の調理設備のある専門店には太刀打ちなど出来ない。

 俺に出来るのはあくまで家庭でできるものだけだ。


「それも食べてみたい! ゆーちゃん、今度作って!」


 そうだな。ピザトーストならトースターで焼けるし、具材を色々用意して好きなピザを作らせてあげるか。


「じゃあ今度ピザトースト大会を開催するか」

「みーちゃんのうでまえをみせてあげるの!」

「・・味もそうだけど、見た目もきれいなのを作ってみたいわ」

「僕はさっきのテレビみたいに、チーズが伸びるのを作りたい!」


 ちみっ子達はどんなピザトーストを作るかの議論に入ってしまった。

 きっとその議論は平行線を辿ったまま、結論が出る前にピザが届くことだろう。



 ぴんぽーん


 お、到着かな?

 インターホンが鳴ると同時に、それまで議論を重ねていたちみっ子達が一斉に玄関の方を向いた。

 白熱していた議論の内容などもはやどうでもいいといった様子だ。

 俺は読んでいたラノベを閉じて玄関の方に向かう。

 ちみっ子達も待ってられないのか、俺の後を付いてきた。


「はいはい、お待たせ」


 玄関のドアを開けると予想通り、ピザ屋のあんちゃんが荷物を抱えて待っていた。


「お待たせしました、ドレミピザです! こちら商品でございます」

「ありがとう」


 あんちゃんから五枚のピザと五本のコーラを受け取ると、みーちゃん達が俺に向かって両手を上げて来た。


「みーちゃんたちもはこぶの」


 初めてのデリバリーにテンションが上っているのか、自ら手伝いを申し出てきた。

 せっかくなのでそれぞれが注文したピザを渡してあげ、リビングに戻る。

 一旦テーブルに自分のピザを置き、最後の一枚とコーラを持って地下室へと向かう。


「大精霊様、ピザとコーラを持ってきました。お召し上がり下さい。それと明日から異世界に行ってきます。まさかこんな目的のために使うとは思いませんでしたが、異世界に繋げてくれたおかげであっちのダンジョンを救える可能性が出てきました。ありがとうございます」


 ピザとコーラを置いてお辞儀をするとお供え物が消えて、代わりに一枚の紙が現れた。

 拾い上げると、そこには大精霊様からのメッセージが書かれていた。


『無理はせずにダメ元くらいの気持ちで行ってらっしゃい。それとあの子達の事をお願いします』


 俺としても異世界で命を落とすつもりはない。

 危険はあるだろうが、やれるだけのことをやってみます。

 それに水神社を救うためとはいえ、本格的な異世界探訪に心躍っているのも事実。

 どんな旅路になるのか楽しみだ。


「ゆーちゃん、はやくぴざをたべるの!」

「・・みんなで分けっこするのでしょう? ゆーちゃんもいないと」

「早くしないと冷めちゃうよ」


 食欲旺盛なちみっ子達が待ちきれずに来てしまった。

 しかしみーちゃん。だからと言ってここにピザを持ってこなくてもいいだろうに。

 食べるのはちゃんとリビングに戻ってからだぞ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 大精霊様、出前を取れるくらいには利益率高くしてくれてるかな(笑)
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