3人の秘密
ー王都学園地下ダンジョンー
ユウキ達は5層のビッグベアを討伐した後、さらに奥に進んでいた。
6層からは俊敏性が高く脚力の強いウサギや、高速移動する蝙蝠などこれまでの魔物より強くなっていた。
しかし3人にはどうと言うこともなく殲滅して進んでいた。
アリサは蝙蝠が鬱陶しいと狭い通路に上級風魔法の《ガストスラッシュ》を発生させた。
これが洞窟内に高風圧の裂傷を及ぼす突風が入り乱れ、魔物の死骸で通路が埋め尽くされるアクシデントが発生した。
(因みにダンジョンは一定時間で死骸が洞窟の魔力に還元される。)
「・・・アリサちゃん、ちょっと場所をわきまえようね。」
ニコやかだが口元が引きつった2人にダメ出しされて、アリサは少し反省した。
アクシデントはあったものの、最下層の10層にある重厚な扉まで辿り着いた。
横には謎の魔法陣が彫ってあったが、危ないので触らないようにした。
突入してから4時間後の事であった。
扉の前でユウキは2人に告げた。
「10階層と聞いたから、ここで一回装備を整えよう。恐らくヤバい奴がいる。」
2人は頷くと装備の点検を始め、ユウキはポーチからナックルを取り出した。
「「なにそれ?」」
2人が同じタイミングで聞いてきた。
「これは村を出る時に父さんから受け取ったんだ。王都にくる時装備したけど、風属性があるみたい。」
レナードがいるため一部を誤魔化したが、アリサが勘付いた。
「ねえレナード、貴方は私達に秘密があってそれを聞いたら、誰にも言わないと守れるかしら?」
「アリサ・・そうだね、レナードはきっと大丈夫だ。」
2人の問答にレナードは優しく微笑んだ。
「うん、誰にも言わないとこの首飾りに誓うよ。」
それを聞いてユウキも決断した。3人に秘密は要らない。
「このナックルはね、本当はゴブリンに貰った物だ。そしてアリサの《真・ストロング》の師匠もそのゴブリンだ。」
レナードは驚きを隠せず目を見開いた。だが動じない。
「素晴らしい友人を持ったんだね。」
ユウキとアリサは顔を見合わせた。
「「あぁ(えぇ)」」
やはりレナードは優しい。普通なら嫌悪するものが見当たらない。
「それじぁ露店で言っていた風属性が付与っていのは」
「そう、これのこと。」
こうして3人は装備の点検が終わると、扉に向き直った。
ユウキが扉に手をかけると掛け声を出した。
「行くぞ!!」
ギギギギギィ・・・




