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【第78話:ニヤニヤ】

「どうしてあんたが自慢げなのかはわからないけど、とりあえずいろいろアレ(・・・・・・)ってのについて後でじっくり聴かせて貰うからね! まぁでも……明日の朝までには四台とも完成させるから、みんな今日は頑張るよっ!!」


 レミオロッコの号令を聞き、みんな気合いが入ったようで一斉に動き始めました。


 と言っても、まだレミオロッコに対し、


『そもそも戦車とはどういうものなのか?』


『どんな目的でどういった使用法を考えているのか?』


 などの説明が全く終わっていません。


 なので、まずは場所の確保やこれから次々に搬入される予定の資材の受け取りと整理をお願いしました。


「それで、戦車っていうものは馬車といったい何が違うの?」


「そうね。まず、車輪に大きなブレードを付けるわ。それで横からの攻撃を防いだり、追い抜きざまやすれ違いざまに相手を攻撃するの。だから、車輪も車体もかなりの強度が必要よ」


「想定しているのはビッグホーンなのよね? それって相当な強度にしないといけないわね……」


「えぇ、もちろんよ。とりあえずギルド長とアレン商会から、大量の鉄板と鉄棒、馬上槍が届く事になっているわ。他にも必要なものがあれば全力で集めてくれるそうだから何でも言って。うちは作る担当で予算は全部ギルド長もちだから」


「キュッテ、なんか嬉しそうに悪い笑みを浮かべているわね……」


 おっと……私の中の黒い何かが溢れそうになっていたわ。ワタクシトシタコトガハシタナイ。


 それからも私が考えている戦車の構想を次々と伝えていきます。

 もちろんただ伝えるだけでなく、レミオロッコの意見も伺いながら、より実用的で実戦的なアイデアを取り入れていきました。


 それから一時間ほど色々と意見を出し合った頃でした。


「うん! 行けるわ! イメージが固まって降りてきた!」


 レミオロッコの『創作』スキルがようやく発動してくれました!

 ここまでくればもう後は任せても大丈夫でしょう。


「じゃぁレミオロッコ、後はお願いね」


「わかったわ! もう作りたくてうずうずしてるから任せて!」


 この状態になった時のレミオロッコは本当に頼もしいです。

 本人に言うと調子に乗るから言わないけどね!


「……でも、感謝してるわよ……」


「え? なに?」


「なんでもないわ。じゃぁ、私はこっちに羊たちを呼び寄せてから、アレン様のところに行ってくるから」


「戦車は私が何とかするから、キュッテも頑張るのよ。でも……あ、あんまり無茶するんじゃないんだからね」


 え? なに!? なになに!? レミオロッコのデレですか!?

 凄いレアなんですけど!


「もう!! 何をニヤニヤしてるのよ! さっさと行って来なさい~!」


 ◆


 追い出されたので、レミオロッコ工房の裏手にある広場にやってきました。


 まずは牧場に残っているリイネとソーサさん一家に手紙を届けます。

 みんなには手紙で状況を説明して、羊たちを厩舎にいれて、暫くは地下の秘密基地に隠れているように指示してあります。


 もちろん色のついた子たちを連れて行くことなども書いていますよ。


「じゃぁ、手紙をちゃんと渡してくるのよ?」


「「がぅ♪」」


 コーギーモード(フィナンシェ)に手紙の入った袋を口に咥えさせると、時間も惜しいのでさっそく送還です。


「送還!」


 眩い光とともにフィナンシェが消えたのを確認すると、私は待ち時間を利用して、脳内で予定を再確認していきます。


 えっと……この後、二〇匹の色付きの子たちを送還召喚コンボでここに全員呼び寄せたら、トルテとヨセミテの二人に預けて私はアレン商会に向かうでしょ?

 そこでアレン様たちと合流したら、そのまま衛兵の詰め所と冒険者ギルドに行って作戦の説明。


 戦車に乗り込む隊を編成したら、残りは街や周辺の防衛について貰って……あ、その前にグループごとに預ける羊を呼び寄せないといけないわね。


 今回、色付きの子たち以外にも何匹かの羊を呼び寄せて、協力して貰う予定です。

 ちなみに今は、もう白い普通の子たちもみんなモコモコ度マックスに進化してるから、普通の羊たちより強いでしょうし、いざという時は多少の戦力になるんじゃないかしら?


「おっと、そろそろ良いわね……召喚!」


 私が能力を発動すると、光が溢れ、すぐにフィナンシェが現れました。

 一瞬、カシワとオハギが飛んできたりしないかと身構えたけど、今回は大丈夫なようです。


 これが普通なんですけどね……。


「「がぅ!」」


 次は色付きの子たちの輸送をと思ったのですが、フィナンシェが何か訴えかけてきたので良く見てみると、何かを咥えていることに気付きました。


「あれ? それは手紙かしら? よくこの短時間で返事が書けたわね」


 うちの牧場や工房は、アイデアが思いついたらすぐにメモを取れるようにと、新たにレミオロッコと創り出した鉛筆もどきと紙を配っているので、そのお陰ね。


 ちなみに鉛筆もどきは今は試作品なのだけれど、そのうちアレン商会で取り扱って貰う事になっています。

 私の方針としてはカワイイの普及が第一なのだけれど、この世界での生活が便利になるのは嬉しい事ですからね。


「なになに……へぇ~、リイネも色々考えて行動できるようになってきたわね」


 手紙には『今から色付きの子たちをホーム設定している秘密基地の中に集めておくから、キュッテちゃん(・・・)は一〇分後ぐらいにフィナンシェ()を送って』と書かれていました。


「フィナンシェ様、ね……ま、まぁいいわ。それより少し時間が出来たし果実水でも飲んで待ちましょうか」


 そう言えば、街に着いてからずっと休む間もなく動いています。

 私は一息つくことにし、食堂へと向かったのでした。


*********************************

くっ……とうとうストックが尽きました……。


その上、今日からアルファポリスのファンタジーカップが始まったので、

新作の更新も急がなければならず、土曜の更新間に合わないかも……(/ω\)


休んでも一回だけだとは思いますので、もし土曜日に更新が無い場合は

お察しくださいませ<(_ _")>

*********************************


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