表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

77/100

【第76話:味方ですから】

*******************************************

活動報告に詳細は載せておりますが、他サイトで受付が始まったコンテスト用に、

無謀にも新たに連載を開始しました(*ノωノ)

かなり先にはなりますが、なろう様でも連載予定ですのでお楽しみに!

※ただ、もし受賞した場合は規約により公開中止になりますので、その際はご了承を…


あと、出来るだけ本作の週三回の更新は維持するつもりなのですが、1,2回はお休みを

頂く事になるかもしれません。どうかお許しを……。<(_ _")>

*******************************************


「それはどういう案ですか? ……ナントカモーイさん」


「な、ナントカモーイ……う、うん。良いんだけどね。覚えにくいのは自覚しているし……」


 覚えられる長さを超えていますし、それで良いならそうさせて貰いましょう。そうしましょう。


 まぁ、そもそも頑張って覚える気なんてないですけどね!


「で、どういう案ですか? ナントカモーイさん」


「う、うん。キュッテって、なかなか凄い子だね……」


「ナントカモーイさん?」


「あ、圧が強いから!? 話す! 話すよ! ……その、その前に、キュッテは伝説の羊の逸話を知っているかな?」


 何ですか、その素敵な伝説は!?

 絶対カワイイ奴じゃないかしら?


「銀羊毛と金羊毛という伝説の羊の話さ」


 ギルド長が、そう切り出して話し始めた内容は、とても信じられるような話ではありませんでした。


「何ですか、そのふざけた伝説は……」


「ん~……これは当てが外れたかな? 色とりどりの羊を飼ってると聞いて、もしかすると、その中にいるんじゃないかと思ったんだけどな~」


「いませんよ……そもそもいろんな色の羊(うちの子)たちは、毛が上質で色が付いているだけで特別な力なんて……」


 あれ? そう言えば……あの子たちって、普通の羊たちと比べてかなりの力を持っていたわね。


 なにせ、あの巨大な羊馬車をたった二匹で牽いたのですから、その力は馬や牛よりも遥かに上なのは間違いないでしょう。

 それに、一匹はさすがに可愛そうだと思って試していなかったから、もしかすると一匹で牽ける可能性もあるのかしら?


「ん? もしかして、何か特別な力でも持っているのかな?」


「あぁ、いえ。特別、という訳ではないと思うのですが、普通の羊とは比べ物にならないくらいに、力が強いかもしれません」


「ほぅ。それはどれぐらいかな?」


「えっと……」


 それから話し合いを続け、お互いに案を出し合い、ようやく街を守る糸口が見えかけた頃、扉がノックされました。


「し、失礼します!」


 ノックの後、扉を開けて入ってきたレミオロッコでした。


「どうしたの? もう終わるところだけれど、何か急ぎかしら?」


「う、うん。アレン様が来られたの。どうしたらいい?」


 レミオロッコは、正面に座ってお茶を啜るナントカモーイさんに少し緊張しながらも、そう告げました。


 でも私が答えるよりも先に、そのナントカモーイさんが口を開きました。


「おぉ♪ ちょうど良いじゃないか♪ ぜひ、話に加わって貰おうよ!」


 レミオロッコがあたふたして「え? いいの?」みたいな視線を向けてくるのですが、この件については異論はないので、私の方からもお願いしておきます。


「うん。あとでアレン様のところへ行こうと話していたところなの。悪いけど、ここにご案内して差し上げて」


「わかったわ。ちょ、ちょっと待ってね! ……あっ、し、失礼します!」


 普段は本当に頼もしいのに、知らない人が一人でもいると、やっぱりまだ緊張するのね。

 まぁ、これでもだいぶんマシになった方だけれど……。


「ところでキュッテ……さっきの契約の通り、秘密は絶対に守ってね」


「わかっています。アレン様にもさっきの話は黙っておきますので」


 アレン様に隠し事をするのはちょっと抵抗がありますが、別に悪い事を黙っているというわけではないので、ギルド長との約束は守るつもりです。


「失礼します! キュッテ! 大変なのです! 魔物の群れの正体が判明して……って、ギルド長!? どうしてここに!?」


 アレン様はノックをすると、そのまま扉を開けて部屋に飛び込んできたのですが、そこに私だけでなくギルド長までいることに気付いて驚きの声を上げました。


 まぁ、まさかこんなところに商業ギルドのギルド長がいるとは思わないですよね。

 ちなみに以前聞いた話ですが、アレン様は副ギルド長と違ってギルド長とは交流があり、幼い頃からの顔見知りだそうです。


「は~い。ギルド長だよ~?」


 だからといって、ギルド長のこのノリは軽すぎて、イラっとくるのよね……。


「へ? うわっ!? キュッテ! ケルベロスを僕に近づけないでくれないかな!?」


 あら? つい、イラッときて無意識にフィナンシェの背を押してしまったわ。


「「がぅ?」」


 それにしても、フィナンシェはこんなにカワイイのにね~。


「え、えっと……キュッテ、どうしてギルド長がここに?」


 おっと、アレン様を置いてけぼりにしてしまったわ。


「はい。商談をしに来られました」


「商談を? ギルド長がキュッテに?」


「はい。街を救うという一大事業の協力をするという商談です」


 まぁそんな商談あるかって話なんですけど、一応、形式上は契約も交わしたので商談で嘘は言ってないんですよね。


「え? ギルド長! キュッテに何をさせるつもりですか!?」


「ふふふ。アレン君は、商談の内容を教えろと言うのかな~?」


「あっ……い、いいえ。そういう訳ではありませんが……」


 もう、ギルド長は本当に意地悪ですね……。

 アレン様が商売に対して誇りをもっておられるのをわかっていて、そんな冗談を言うのですから。


「ひっ!? だからケルベロスを僕に近づけないでくれないかな!?」


 嫌ですよ。私はアレン様の味方ですから!


 ほれ、ほれ……あ、本気で冷や汗がすごい事になって目を回しそうになって来たので、この辺にしておいてあげましょうかね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
作品の評価は、上の『ポイントを入れて作者を応援しましょう!』から★★★★★と表示されている所をクリックする事で簡単に出来ます!
応援にもなりますので、この作品を読んで妥当と思われる★を選び、評価頂けると嬉しいです!

また、面白いと思って頂けましたら、ぜひブックマークもお願いします!


新連載!
『オレだけクォータービューで戦場を支配する
~あらゆるユニットを召喚して異世界を救うキャンペーンのクリアを目指します~』


異世界にふりかかる理不尽をチートで蹴散らす本格バトルファンタジー! 今ここに始動する!


ドラゴンノベルス様より、書籍版 第一巻 2/4(金)発売!
322110000539.jpg
※画像をクリックで詳細ページが開きます

MFブックス様より、書籍版 第一巻 好評発売中!
b75shabp9u5nbfoz3gyd7egp52f_fdr_ci_hs_92
※画像をクリックで詳細ページが開きます

MFブックス様より、書籍版 第二巻 好評発売中!
b75shabp9u5nbfoz3gyd7egp52f_fdr_ci_hs_92
※画像をクリックで詳細ページが開きます

MFコミックス様より、コミック第一巻 好評発売中!
322007000171.jpg
※画像をクリックで詳細ページが開きます

MFコミックス様より、コミック第二巻 好評発売中!
322007000171.jpg
※画像をクリックで詳細ページが開きます

『呪いの魔剣で高負荷トレーニング!? ~知られちゃいけない仮面の冒険者~』
8o9b581i4b7hm42ph5wph6qohlqu_xql_tg_15o_
※画像クリックでなろう内の目次ページが開きます
『突然、カバディカバディと言いながら近づいてくる彼女が、いつも僕の平穏な高校生活を脅かしてくる』
平穏を求める高校生と、とある事情を持つ美少女クラスメイトの恋物語(ラブコメ)

『槍使いのドラゴンテイマー シリーズ』
少年漫画のようなバトルファンタジー!



ツギクルバナー  cont_access.php?citi_cont_id=427461852&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ