犯罪奴隷
カミラの両親、カミラ、ヨルク、ゾフィたちをシミリートとジーモントが家まで見送りに行く。
その足で、2人は衛兵団の拠点に向かい、マンファン達に話を聞く。
「そうか、確かにカミラ嬢の両親の心配はその通りだな。今回捕らえた9人はいずれも犯罪奴隷にする処理も終わった」
「犯罪奴隷ですか?」
「あぁ、借金奴隷と違い犯罪奴隷は主の命令に対して絶対服従だ。命の危険があることですら。だからこそ発言に証拠能力は無いが、得られた情報に嘘はない。これで“蒼海の眼”の悪事の証拠を吐かせてやる」
ついでのように、犯罪奴隷にして売却する手続き代を除いて、奴隷1人あたり金貨1枚の引取り料が衛兵団から出るという。マンファンやドミニコラ達が捕まえた6人分についてはドミニコラに全て渡すらしい。ユリアンネの方の3人分については仲間内で好きに分けたら良いと言われ金貨3枚を預けられる。回収した武器などの装備品については鑑定などの手間がかかるのでまた別途とのことである。
その上で、シミリートは今から大捕物だ、しばらくは帰れないと覚悟しておけ、と脅される。確かに逃亡される前に捕まえに行くならば急ぐ方が良い。流石にこれだけ情報があれば、他の分隊達も駆り出すこともできるので、悪評高いクランを殲滅するチャンスと衛兵団が盛り上がる。
シミリートを残してジーモントは帰り、ユリアンネに金貨3枚を渡しながら経緯や状況を説明する。
その日から2〜3日は、特に“蒼海の眼”の拠点や、海賊上がりと言われただけあって港の方で衛兵団による大捕物が行われ、街中の噂はそれに絡んだものばかりになった。
これをきっかけに悪評高いクランに繋がる貴族や商人達も捕まえられるのではないか、という住民達の期待もある。




