獣ダンジョンのロック鳥
「あれは鳥か!?大きいぞ!」
焚き火の灯りから見える鳥ではあるが、距離があるはずなのにそれなりの大きさがある。
ユリアンネが中級光魔法≪照明≫を発動すると、3体の鳥の姿が確認できる。
「ワイバーンより小さいか?」
「この距離では分からないわよ」
ゾフィは≪遠射≫のショートボウを活かして攻撃してみるが、到達まで距離があるからか容易に回避されてしまう。
「来たぞ!」
3体の鳥は少し間隔をあけながら、地上にいる仲間たちに突撃して来る。
「俺の盾!」
ヨルクに手入れのために預けていた武器や盾を手にして迎え撃とうとするが、準備が間に合わない。
視界を塞がないように、≪石壁≫のない2方面に透明な≪氷壁≫を発動するユリアンネ。
遠くの上空からの突撃のため、垂直に降下するように見えなかったことからの防御であるが、効果があったようで、仲間たちに鋭いくちばしや足の爪で攻撃することなく上空に去っていく。
「今のうちに装備を!」
慌てて盾や武器を装備するジーモントたちだが、上空を飛ぶ魔物に対する攻撃手段がない。
「ロック鳥かな」
魔物の名前を問われたユリアンネが、多分という前提で答える。
「あのくちばしや爪で攻撃したり、獣を両足でつまんで持ち上げて巣に持ち帰ったりするって話よ」
「そんな!あいつらの餌なんかになってたまるか!」
ヨルクの発言の通りではあるが、地上でハルバードを振り回しても攻撃が当たるわけでもない。
「お、あいつら下に降りていっているぞ。諦めたか?」
「いや、そんなわけ……やっぱり!」
確かに地上に降りたのは確かだが、再び飛び上がったときには両足で岩を掴んでいた。




