虫ダンジョンの中層3
「やっぱりたくさんのジャイアントスコーピオンに囲まれるとしんどいな」
この砂漠に降りてきた階段まで引き上げた一行。
「でも、この魔物たちを放置すると、他に倒しにくる奴もいないだろうし、そのうち魔物氾濫になり得るよな?」
「そうね。ここはこの前のアンデッドダンジョンより魔物ランクが高いからか、溢れるまでは行っていないけれど、魔物の数は普通じゃないわよね」
「俺たちが頑張らないと、オリガ王女やこの国に移住させてきたダクたちが困るよな……」
「……」
「そうは言っても、このまま闇雲に進んでも、あいつらに囲まれて苦戦するだけだよな」
「やっぱり、両手の大きなハサミだけでなく、毒のある尻尾が怖いのよね……」
「そうなると、防御か」
シミリートたちの呟きに黙っていたジーモントが少し考えていたが、決心したようにゆっくり発言する。
「街に一度戻ってくれないか?」
「どうした?」
「俺も盾を大きくする。今のバックラーでは皆を守れないから、シミみたいに大きな盾に変える」
顔を見ていると、どうも以前から考えていたことを今回で決断したようである。
「ま、いつもいつもというのではなく、今回だけにするのだろうけれど、な」
「ふむ。なるほど。では俺もカイトシールドに挑戦してみるか」
「え?サンダーまで?」
「せっかく国を出たんだ。皆が新しいことに挑戦するのに、自分だけいつまでも昔からのやり方にこだわる必要もないだろう?」
確かにシミリートは既にカイトシールドを所有し、ヨルクがドワーフの小さい体なのにハルバードに挑戦し、ジーモントがバックラーからカイトシールドに挑戦する。
大きな盾を持てる男性で残るのはサンダーだけである。




