虫ダンジョンの中層2
「これは困ったな」
シミリートが呟くのも仕方がない。そこに広がっていたのは砂漠である。
「俺たち、トリアンダンジョンの22階を攻略できていないんだよな」
その22階が砂漠であり、そこにいたのは巨蠍であった。
「つまりここには、ジャイアントスコーピオンってことだよね」
「ま、いつか22階を攻略するための前哨戦としようか」
「さっきのジャイアントビーもそれなりに数は多かったが、このジャイアントスコーピオンもやばくないか?」
「そうね。通路で対峙する数を制限できていた蜂とは違って、ここでは全方向から敵が来られるから……」
先ほどの女王蜂の護衛たちと同様に、このジャイアントスコーピオンもCランク魔物であり、銅級の仲間たちが1対1で戦い続けるのは不安が残る。
しかも足場が不安定な砂漠では、ここに慣れている蠍の方が有利である。
「このままコイツらとたくさん戦うのはしんどいな」
リーチの長いハルバードに武器を持ち替えて、蠍の巨大なハサミや、毒針のある尻尾に対応しているヨルク。
「足の関節を狙うと良いのだろうけれど……」
「ショートソード程度だと、他の場所はあまり効かないのよね」
苦戦しているカミラたちを見たユリアンネは≪氷槍≫で、対峙している蠍の腹を突き上げて助太刀をする。
サンダーも≪修復≫が付与された刀で攻撃しているが、やはり狙える部位が少ないことに苦戦はしているようである。
「いったん引くか?」
「そうね。階段まで戻りましょう」
仲間たちの様子を見たシミリートが一時撤退を判断する。




