虫ダンジョンの中層
「流石はユリ!」
巨大な蜂、その3倍はある女王蜂とは言っても、所詮は人間と同じくらいの大きさでしかないので、巨大さに圧倒される感じではない。
周りの護衛たちを減らして残ったその女王蜂にはユリアンネの≪炎槍≫がとどめとなった。
「で、魔石以外の素材は女王蜂も尻尾の針だけなのかな」
シミリートが解体している横で、周りを探索するカミラたち。
「宝箱があったわよ」
カミラの言葉で、作業が終わった者からその周りに集まってくる。
誰も鍵開け技術がないため、いつものようにヨルクが斧で鍵付近を壊した後に、シミリートたちが横に立ちながら槍などを使って蓋を開ける。
「うぉ!」
鍵のあった宝箱の正面側に小さな矢が飛んでいった気配がする。
「きっと毒があったのでしょうね」
少し落ち着いて中を覗き込むと、黄金色のものが入った大きなガラス瓶が見つかる。
「ユリ、鑑定して」
カミラが待ちきれないように声を出す。
「うーん、高級中位の蜂蜜ね。特殊効果はないけれど」
「いや、十分よね」
「これだけあると、料理にも使って良いよな?」
ジーモントもかなり興味ありそうだが、女性陣が以前に聞いた肌に良いという使い道にどれだけ使うのだろうと恐る恐る聞いている。
「分かっているわよ。料理、そしてユリの薬のためにも残すけれど、配分はテアを含めた女性陣で決めます。良いわね?」
とてもその勢いのカミラに逆らえる者はいなく、首をすぐに縦に振っている。
「ま、とりあえずは次に進もうか」
そのままというわけにいかないので、近くにあった階段を降りて進むことをそっと提案するシミリート。




