虫ダンジョンへ
「今度は虫ダンジョンだろう?俺に任せておけ」
ドロガンの街に戻り、入手したハルバードを鑑定すると≪火炎≫の付与された魔道具であることを確認したヨルク。
確かにかたい殻に覆われた虫には、剣よりも斧のように打撃を中心とする武器の方が有効であり、ヨルクに期待がされる。
「でも、ハルバードって、斧というより槍みたいなものじゃないの?」
「う」
「大丈夫さ、俺が槍の使い方を教えてやるよ」
「いや、俺は槍をやりたいわけでは……」
「そんなこと言うなよ。斧の部分の使い方は知らないが、槍はこうやって突くんだよ。振り回して叩きつけることもできるし、反対側の石突も使ったら、周りを囲まれたときなど色々使えるんだぜ」
「流石はシミ!衛兵らしいじゃないか」
ジモにおだてられたシミリートが、道中で槍を振り回している。
「ま、シミはおいておいて。確かに虫ばかりのダンジョンならば、ヨルクの活躍に期待ね」
「慣れない武器で怪我しないか心配だけれど」
「肉が食えないから余計にね」
女性陣たちが後方で集まりながら、前方で盛り上がっている男性陣を呆れて眺めている。
「あの金貨や銀貨は、せめて王都に行かないと買取して貰えないというのは残念だったわね」
「ま、もしかするとこのドラゴレシエ国よりも裕福な国や街で売った方が良いかもね」
「それより、ユリの魔導書も、でしょう?読める人が居ないって」
「ま、魔法使いでも魔術語をちゃんと読めない人が居るくらいだから、仕方がないわよ」
女性陣が騎乗してのんびりと進む一方、前の方ではヨルクが新武器のハルバードでゴブリンや角兎を馬上から攻撃する練習をしているのが見える。




