不死ダンジョンの苦労
「あっ!」
油断していたのか、武器が短いことが原因か、ヨルクが腕をゾンビに噛みつかれてしまう。
「ヨルク!」
「大丈夫だ」
「いいや、サンダー交代だ!ジモも」
シミリートがその様子を見て、前衛の6人を全て入れ替えさせる。
ゾフィがヨルクの方を気にして危険になるのも見えたからである。
「ユリ、すまないな」
「何を言っているのよ。ほら」
まだ全体的には余力があるので、念のために≪解毒≫≪軽病治療≫を≪回復≫以外にも発動しておく。
「みんなも気をつけてね。でも、噛まれても治してあげるから」
「おぅ、頼むな」
ユリアンネの声にシミリートたちが応えて、空気感を前向きに変えておく。
「さぁ、空も少し明るくなって来たわね」
「あぁ、あと少しだな」
その言葉の通り、太陽がのぼってくるとゾンビたちは外に溢れてこなくなり、仮眠を取ることができるようになる。
「うーん、これをかき分けて魔石を取るのは嫌だなぁ」
「でも放置していると余計に魔物が増えるから」
「よし、ユリ、燃やしてくれ。その後なら魔石を探すのも苦労しないだろう」
シミリートの判断に従い≪豪炎≫でゾンビの死体を焼いていくユリアンネ。
「ジモ、今朝は肉でなくて良いぞ」
流石のヨルクも今だけは違うものを食べたいと申告してくる。
「俺もそう思う」
ジーモントも周りも頷いて、野菜ベースのスープとパンという朝食になる。
しっかり焼いたおかげか、風魔法の効果か、臭いはないまま朝食を取ることができて、仮眠も交代でしておく。
「今夜も結構な量の魔石だったな」
拾い集めた数を数えると余裕で三桁になっている。
「これだけ魔素が集まったということよね。やっぱり間引きが全然されていないと危険なのね」




