北方の不死ダンジョン探索3
「さぁ、また頑張るとするか」
ダンジョンの外に出てみると、既に陽は落ちておりあたりは真っ暗である。
昨夜に作った≪土壁≫による通路は残っており、その通路の出口、野営地の近くで待ち構えようとするシミリート。
「いや、もうちょっと入口近くにしようよ。これだと戦いの後に野営の場所まで臭って来そうで」
「う。確かに」
ジーモントの希望の通り、土壁の通路の途中を広くして、そこでゾンビを迎え討つ準備をする。
「来たぞ!」
「昨日よりは火魔法を多めに使ってくれると助かる」
「ユリ、ときどき≪洗浄≫を使ってくれると嬉しいわ」
「それより、風をうまく使って、臭いを散らせない?」
カミラとゾフィの要望は理解できる。
火魔法の方が得意なドロテアには昨夜と同様に≪炎壁≫を発動させつつ、自身は≪強風≫魔法を使って臭いを飛ばしながら、仲間たちの≪洗浄≫に気を配る。
「俺も槍を覚えれば良かった」
「それをいうならば私たちもよ」
特に叩きつけるような攻撃になるバトルアックスのヨルクは、どうしても腐肉を散らしてしまう。
ゾフィとカミラもショートソードという、名前の通り槍などよりは短い剣であるので、距離を取れる武器で戦いたかったと言っているのである。
「俺もショートスピアではなく、もっと長い槍を持っておけば良かったな」
それに合わせてシミリートも軽口をたたいているくらい、一応は皆にも余裕がある。数は多いが、Dランク魔物であるのと、なりふり構わなければユリアンネたちの魔法でもっと倒せる安心感もあるからである。
「ちょっと、昨日より油断してはダメよ」
ユリアンネは少し不安になる。




