北方の街ドロガン
「これは。なるほど、承知しました。どうぞよろしくお願いします」
北方の街ドロガンの衛兵にはそれぞれの冒険者証と、オリガに貰った名刺メダルを見せて、王女の依頼でダンジョン攻略に来た旨を説明する。
まだオルデンスク国がちょっかいをかけてくる国境へは距離があるが、そちらの警備への後方支援を行う街だからか、普通の住民よりは兵士や冒険者のような体格が良く、武具を装備した人間が多い。
「ここでは食料の補給程度にしておいた方が良いかもな」
「そうね。なんとなくイライラしている感じの人も多いし、面倒ごとは避ける方が良いわよね」
この地方に来るまでに消費した野菜などの食料の補充以外では、冒険者ギルドでダンジョンの情報収集だけをして早々に街を出る。
「それにしても、ギルドも頼りないわね」
「ま、オルデンスク国が攻め込んでからは、ダンジョンに行く人なんて居なかったのだろうけれど」
「そうは言ってもそれまでの人の情報も無いなんて」
「今いる人が悪いわけでは無いのはわかるけれど。オルデンスク国のスパイが盗んだのか、ここに居た冒険者かギルド職員が盗んで逃げ出したのか。確かに戦争している場所の後方支援の地域で魔物が溢れたら、攻め込む国にとって有利だろうし」
「嫌な話ね。残されたオリガちゃん達が困らないように、私たちができることはやりましょう!」
流石にダンジョンの場所の情報くらいは正確に残っているため、まずは不死魔物ばかりというダンジョンに向けて戦馬を進める。
「昔はスケルトンやゾンビばかりだったという話だけれど、そのときでも深い階層に行っていなかっただけかもしれないから、注意しないとね」
「本当。溢れる前かもしれないし、10年以上放置されているならば、階層も深くなる方にも魔素が使われている可能性もあるからね」
「ユリ、怖いことを言うなよ」




