苦戦の出店
ユリアンネたちが王都に近いところで魔物退治を行なっている間、留守番で店舗運営していたカミラとゾフィの表情は優れない。
「ジモの食堂の話もそうだけれど、私とゾフィの商品って、贅沢品の方に思われるのよね」
「そうね。だから、最初は店ができた物珍しさで足を運んでくれた人も、その時に安いものを買った後はリピーターらしいリピーターにもならず」
「そういう意味では、ユリの店舗も冒険者たちが安い低級品などは買っても、高級品どころか中級品もほとんど売れていないわ。この王都にいるのは鉄級冒険者がほとんどで財布が寂しいのもあるのだろうけれど」
「なるほど。それはまぁ今のこのドラゴレシエ国の状況を踏まえたら……」
「私たちだけなら良いのよ。店の売上がなくても生活できるくらいの蓄えはまだまだあるから。でも、せっかく孤児院の子どもたちに色々と教えても、彼らがここで生きていく手段にできないならば……」
「そうか、それは困るな……」
富裕層は元々このドラゴレシエ国にほとんど残っていなく、オンデンスク国が侵略して来たときに早々に逃げ出しているはずである。
残っているのは、日々の生活のこと、明日から生きることを考えると贅沢はできないと考える者たちである。
そこに、戦争で逃げて来たイスクラディヤ国からの難民も増えるのである。
「オリガちゃんたちも色々と考えているのだろうけれど、俺たちでできることをするか」
「じゃあ、まずは魔物退治か」
「そうだな。オリガちゃんの負担を減らすために、言われていたダンジョンの魔物退治に向かうか」
「そうね。私たちも気晴らしをさせて貰わないと」




