出店開始2
「さぁ、本日開店。開店セールをしていますよ!」
子どもたちに大通りでの声掛けをさせることにしたカミラたち。
「へぇ、何の店ができたんだい?」
「武器屋、それと衣服や工芸のお店です。百聞は一見に如かず、ですよ!ぜひご覧ください!」
「へぇ、なかなか難しい言葉を知っているじゃないか。よし、のぞいてみようか」
ザリーナたちの呼び込みは効果があったようである。
「下手に私たちや、手伝ってくれると言ったドロテアがやるよりも、良いやり方だったわね」
「大人が呼び込みをするよりも警戒心は下がるでしょうし、ちゃんとした言葉使いもできる子どもならば、育成・指導もちゃんとしている店と思われると思って」
「大通りから見えない店舗だから、まずは覚えて貰うのに重要ね」
「ほぉ、このお店は試し切りできるんだ。なるほど、この魔物の毛皮でもこんなに」
隣のゾフィから使い道のなくなった半端な皮革素材を貰って、実演販売する。ヨルクはその辺りをうまく話せないので、そつがないサンダーが初日は手伝っている。
「どうですか?このドワーフ職人による高級品。開店初日ですので、いつもよりお買い得ですよ!そちらの魔物素材での試し切りもしております!」
「なるほど。確かにこの切れ味。それと持ち手も滑らないように巻いてある紐。なかなか良いじゃないか」
「装飾も素朴で。下手なところに金をかけずに、中身にこだわる。良い職人じゃないか」
「ありがとうございます!」
風花の中つ国で学んだ持ち手の紐についてはカミラとゾフィが試行錯誤して協力してくれたのである。
下位ではあるが高級品を提供できるヨルクの店は、すぐに客の心を掴むことができたようである。




