出店開始
「私たちも、孤児院の子たちへの指導だけじゃないのよ。頑張ったのよ」
カミラが夕食の際に、翌日から出店開始すると宣言する。
「お、じゃあうちの貼り紙も変えないと」
ジーモントの食堂には、薬屋は開店と書いていたが、その他は予告の旨を貼り出していた。
「お客さんがこのあたりに増えると良いわね」
「で、子どもたちに店員をして貰うのか?」
「いや、シミ。流石にそれは……」
「残念だけど、串焼きのお金を貰うだけとは難しさが……価格の種類も多いし」
「そうか。じゃあ、またおいおい、だな。期待はできるんだろう?」
「そうね、計算も飲み込みの早い子は、いろんな商品をいっぺんに買われても大丈夫になってきたわ。でも、高い商品を触るのを怖がっているのよね」
「そこも慣れるしかないか」
「孤児院の人には喜ばれていたわよ。魚を貰うのではなく魚の取り方を教えて貰うのが子どもたちのためになるって」
「どういうことだ?」
「一回だけの食べ物よりも、食べ物を手にいれる手段を覚えるとそれは生涯に使えるものだから、子どもたちには有益だってこと」
「難しいけれど、なるほどな。じゃあ、俺たちが狩りのやり方を教えているのはそのままだな」
「まぁね。でも狩りだけでなく、店員や職人として働くために必要なことも、よ」
「それって、本人たちも覚える気になってくれているからよね」
「その意欲の引き出し方が上手かったって。特にジモ」
ジーモントが照れ隠しに話題を戻す。
「みんなが出店していくならば、俺も串焼き以外に手を広げようかな。串焼きも仕込みをやったあとは、焼きも子どもにさせるのもありかな」
「……そうね。私たちも子どもたちと一緒に成長しないとね」




