店員訓練3
職人の見習いというか体験学習程度のことではあるが、それぞれの実家の業務のさわりを子どもたちに教えている仲間たち。
一方、細かい作業が苦手な子どもたちもそれなりにいる。
「ダニークとミハイロフは店員よりも冒険者の方が良さそうだよな」
「あぁ、あいつらに負けないように狩りを教えてくれ」
「ははは。もちろんだ」
シミリートとサンダーはそれぞれの戦馬に二人乗りで乗せて、王都の外の平原に行き、角兎との狩りを教える。
「そうだ、まずは盾で突進を防げ。下手に逃げようとしなくても良い。回避はまた教える」
「よし、そうやって盾で食い止めたときに、動きが止まった相手に剣を振り下ろせ!よし、良いぞ!」
「狩ったらすぐに、首のところをこうやって切って、血抜きをした方が肉がうまいらしい。高く買い取って欲しいならば忘れるな」
「毛皮も傷が少ない方が良いって……」
「それはもちろんそうだ。もし上手に狩ったら、ゾフィが買い取ってくれるかもな。でも、今は自分が怪我をしないように倒すことからだ。慣れてきたら自然と毛皮への傷も減る」
最初はイスクラディヤ国から連れて来たダニークとミハイロフの二人だけを相手していたが、その二人がだんだんと角兎を狩るのが上手になるのが知れ渡り、自分たちにも指導して欲しいという希望者が増えてくる。
「仕方ないな。みんなが店舗にいる間、戦馬を借りるとしようか」
賢い戦馬は、子どもたちだけを乗せている場合には大人しく進むし、横にシミリートたちがいてどこに向かうかを軽く指示をすればついてくる。
店員、職人としての見習いだけでなく冒険者の見習いも育成することになった仲間たちは、孤児院の職員たちからも感謝される。




