店員訓練2
読み書き計算が最低限できて、それなりに手先が器用だとわかったのはザリーナ以外に数人だけであった。
「じゃあ、今度はうちの店で実際に店員をやってみて貰おうか。もちろん少しだが賃金も払うぞ」
職業訓練は教わるものであり賃金が出ないこともあると知っている子どもたちは飛びついてくる。
「流石に何人も同時は無理だよ。交代にしよう」
読み書き計算は苦手でも手先が器用な子どもはゾフィが店舗に集めて、皮革職人の基礎を教えている。
「こんな感じで、皮を傷つけないように肉を剥いでいくのよ。最初は傷がつくのを恐れずに。角兎なんて、みんながどんどん狩って来てくれるのだから」
「そう、良い感じじゃない。うまく肉を削ぎ落とせたら、この水につけておいて、その次はこうやって紐で引っ張りながら平らに伸ばして乾かすのよ」
ユリアンネも、先日にザリーナに教えたように他の子どもたちにも、洗浄や乾燥、そして粉砕などを薬研も使って教えていく。
普段見ない道具に戸惑いながら薬作りを楽しんでいる子どもたちをみると心が和む。
「何人かは、これを覚えていると皆から感謝されるからな」
ヨルクは砥石を使ったナイフの磨き方を、少し年上の子どもたちに教えている。
「いや、水をもっとかけて。そうそう」
「あ!刃物で遊ぶな!危ないんだから!」
「あら、良い感じに。そうね、そこに穴を開けていくつもつなげるとネックレスになるでしょう?」
「その紋様って珍しいわね。上手にできたわね」
カミラもヨルクに作ってもらったドリルを順番に使わせながら、魔物の爪や牙に対する細工を子どもたちに教えるのが楽しそうである。




