店員訓練
手先が器用で職人的なものを希望する子どもたちを集めて、今度は読み書き計算をテストしてみる。
ただ、これに関してはいくら孤児院の職員たちが指導していたとは言っても、さらに差が出てしまう。
「なんか数字を見ているだけで頭が痛くなるんだよなぁ」
「本当、これを覚えて何になるのか」
前世でも似たような話を聞いたと思ってしまうユリアンネ。
「じゃあ、ここに半銀貨があるね。これは銅貨が何枚?」
「そんなの50枚に決まっているじゃないか!」
「そうだよな。じゃあ、1本7銅貨の串焼きを4本買ってくれた人がこれを渡してきた。お釣りは銅貨が何枚?」
「え?え?」
「お釣りは銅貨22枚だよ。これがパッと計算できると、店頭での仕事を頼みやすいよな」
ジーモントが最近のダニークたちの様子を見て、少し計算を難しくして出題していた。
「うー。わかったよ」
「冒険者になってもそうだぞ。何かを納品したときに、その報酬を誤魔化されることもあるかもしれない。角兎の角を10本納品したのに、7本分の報酬しか貰えなかったら困るだろう?」
「確かに」
「計算の勉強は、それらの色々なパターンを学ぶだけなんだよ。どうだい、やる気になったかい?」
「それと、冒険者になって班を分けて探索することになっても、待ち合わせ場所に来ると何が書いているか分からなかったら困るわよね?」
「先に行く、なのか、東に向かう、なのか。待っておけ、なのか……」
「そうだ。いきなり難しいことを覚えろとは言わない。店や冒険者ギルドで使われる文字が読めるだけで色々が楽になるぞ」




