孤児院での指導
「じゃあ、まずは薬。その中でも水薬とも言われる飲み薬の作り方ね。飲まなくて傷口にかけることでも治せる傷回復薬にするわね」
ユリアンネは、細かいこともできる感じであったザリーナに薬の作り方を説明する。
「簡単にいうと、洗浄、乾燥、粉砕、分離、溶解。そしてすぐに効果が出るポーションにするには最後に励起。でもこれは難しいわね。まずは普通の飲み薬から」
前世での料理番組のように、時間のかかるものは先に用意したものと交換する感じで説明していく。
まず採取して来た薬草をよく洗う。そして乾燥させる。それを薬研で粉にして、篩にかけて不純物を取り除き、水に溶かす。
魔法を使えない者には、その一つ一つの工程にも時間がかかる。まず水は純水であるほど品質が高くなるため、沸騰させて蒸留した水を使用する。
ユリアンネは≪水生成≫ができるのでその工程を省けるだけでなく、≪洗浄≫≪粉砕≫そして不純物が混ざらないようにする≪簡易結界≫も使用するのだが、今回はザリーナへの指導であるので、それらは使用しない。
「なるほど。見た目は料理みたいな感じもあるのね」
まず傷回復の薬なので、薬草でも葉が重要で、茎などはナイフで取り除くことなど、一つ一つ丁寧にザリーナに指導する。
「この薬研っての、面白いけれど難しいわね」
確かにコツをつかむまでは、粒子を細かく均等にするのは難しい。
ユリアンネが手伝いながら何とか出来上がった傷回復の飲み薬は、低級低位という品質ではあったが成功は成功である。
「これ、なかなか難しいわね。ま、なんでも簡単にできたら専門の職人も要らないわよね」
ザリーナは興味を持ってくれた感じである。
「ねぇ、孤児院の他の子たちにも教えられる?」
一緒にイスクラディヤ国から避難してきたダニークとミハイロフ以外にも仲良くなった、似た年頃の友達にも広めたいようである。




