アンダロフでの討伐依頼2
「では、今度は王都アンダロフから東方の街道近くの依頼になります」
「皆様、ありがとうございました。街道沿いの依頼は減りましたので、少し離れたところになります。2班それぞれ東部と西部に向かって頂けますと」
初日に2班それぞれがDランクやEランク魔物の依頼を5つずつ怪我もなく片付けたのを見たからか、一応は戦馬を使うと日帰りできる範囲内であれもこれもと次々に依頼を出してくる冒険者ギルドの受付。
「いや、もちろんやるとは言ったけれど、ちょっと休憩する間もないくらい絶妙な距離と数にするのは酷くない?」
「ある意味それだけ優秀なギルド職員ということなんだろうけれど」
「いや、流石に疲労もあって怪我も少しはするから。相手は魔物だし、油断するとまずいし」
「そうだな。明日は休みを入れることにしよう。彼女には悪いが」
期待されているとは思うので、休む旨を朝一番に伝えに行くと悲しそうな顔をされる。
「騙されませんよ。そういう顔をして言うことを聞かせるのは男性には有効かもしれませんが、我々の半分は女性ですからね」
「あら、そうでしたわね。また明日からお願いしますね」
カラッと普通の顔に戻ってそう告げてくるのを見た男性陣は、やはり女性は怖いと思いながらペアの女性の顔を見るが、見返されるとソッポを向いて誤魔化すしかない。
「じゃあ、予定通り孤児院に行くとするか」
デメテル神殿に付属の孤児院にダニークたち6人を預けてから1週間ほど顔を出せていない。
「あ、俺たちのことを忘れたのかと思ったぜ」
「いや、俺たちもこの街に住むことにしたから家を探したり、街道の魔物退治をしたり、だな……」
「あはは、冗談だよ。本当に真面目なんだから。それに本当にそうだったとしても元々他人なのに……」
微妙な顔をしてそのような発言をさせてしまったので、抱きしめながら、まだ居るからと再度告げる仲間たち。




