アンダロフでの店舗準備2
ユリアンネの方は何とかなったが、ヨルクの方は面倒があったらしい。
夕食を食べながら互いの状況の共有の中で、ゾフィが憤慨しながら説明する。
「ドラゴレシエ国に残っているドワーフはいないみたいなの。だからヨルクの腕に脅威を感じたみたいで」
「え?薬屋の方は、ユリの技を見たら素直に協力してくれるとなったぞ」
「それは、その人がいい人だったのよ。怪我人や病人を減らすのに貢献する志もあるような」
「ゾフィ、まぁ、結果としては何とかなったんだから」
「?」
「それが、ね。高額になる武器は作らない、という話に落ち着いたのよ」
「ま、防具を作るつもりは元々なかったが、長剣も売らないことになったんだ」
「え?」
「ほら、金持ちや貴族ってロングソードなどを高額な飾り付けして大事にすることが多いだろう?」
「なるほど。でも装飾のない冒険者向けでもダメなんだ……」
「区別がしづらいからって。まぁ、ナイフ、短剣、小剣、ブロードソードみたいな片手剣と、ドワーフならばと斧の類は大丈夫だと」
「せこい男が窓口になったのね」
「ま、元々考えていたほとんどは売れるし、かまどなどを用意する職人や、その他の仕入れ先も紹介して貰えることになったから」
「で、カミラとゾフィはどうだったんだ?」
シミリートの質問に微妙な顔をされてしまう。
「薬や武器みたいに分かりやすい区分がないからでしょうね。それっぽいギルドがないって、隣の雑貨屋さんに教わって」
「え?工芸品は置いておいても、皮革や衣服でも?」
「一般人が余ったものや副業で売ることも多い分野だし、ちゃんと整備されていないんですって」
「素材や道具の仕入れ先は街を巡って確認するしかないみたい……」
住民も商人も少ないからの、この国ならではの苦労が色々とありそうな出だしである。




