アンダロフでの店舗(+簡易地図)
「で、まさか購入することにするとは……」
「ま、いつまで滞在することになるかわからないし、何か改造するのも大家さんに遠慮しながらは面倒よね」
「流石はユリね」
確かに王都とはいえ、このドラゴレシエ国の王都であれば正直そこまで高くはなかった。大家もずっと借り手がいないままよりはまとまったお金が入るならば、と不動産屋による価格交渉にも応じてくれたことも大きい。
ちなみ、流石にそこまでのドラゴレシエ国の貨幣は準備していなかったので、風花の中つ国で報酬を変えていた金塊を用いて支払いを行なっている。
「税金も直接納めることになるなど面倒もあるらしいけれど」
クロリス商会の会頭のクロリスに以前に教わったことを思い出すが、メリットが多いことを期待する。
「じゃあ、この大通りにも面した角の宿屋には皆が住みつつ、1階はジモが食堂運営よね」
「あぁ。あとは、その隣の1軒と、その裏道になる側の2軒ね」
「せっかくならば、宿屋の裏側のこの雑貨屋のところが空いていれば良かったのに」
「そこまでは仕方ないわよね」
「で、その大通りの店舗は宿屋でない方に魔導具屋、防具屋が並んでいるよな。この店舗は誰が何を出品する?」
「そんなの、需要がしっかりあるユリの薬屋しかないでしょう?」
「え?カミラとゾフィじゃないの?」
「私たちのは単価も安いし、そこまで客をつかめるか分からないから」
「そうね。ヨルクの武器屋と一緒に、一本裏側の商店街の方にするわよ」
「あ、でも並びとしては武器屋は分かりやすいから奥にしてね」
「あぁ、まぁいいぞ」
店舗の配置もそれほど揉めることもなく決まったので、いま泊まっている宿には滞在を終えることを伝えつつ、孤児院や冒険者ギルドにも連絡先を教えに行く。
オリガ王女にも伝言だけ伝えておく。
大雑把な位置関係:
道 住居・住居・住居
道 雑貨・服/工芸・武器
道 食堂・薬・魔導具・防具
道 道(大通り) 道




