アンダロフでの店舗探し2
まず相談に来たのは、冒険者ギルドから紹介された不動産屋である。
「そうですね。戦馬を8体も、となりますと一般家屋では無理ですね。おっしゃるように、中堅以上の商会、もしくはそれなりの屋敷となりますね」
「うーん、そんな屋敷になると店舗は別の場所になるよな」
「そうね。どうせならば住むところと店舗は同じ方が良いわね」
自分たちの実家がそうであったことから、店舗兼住居が希望となる。以前にシャトニーで探したときもそうしたことが頭に浮かぶ。ただ、当時や実家ではそれだけの数の戦馬と住むことはなかったのだが。
「では、それなりの規模の商会となりますね。一応は王都ですので商業区のような場所はありますから、そこの店舗となりますが」
「鍛冶設備もありますか?」
「それは流石に周りへの迷惑になりますので。小規模ならば許容されるかもしれませんが」
言われてみると、街中にそのような大規模の火を使う設備があるとは思えない。
鉄鉱石から鉄インゴットなどに製鉄する大鍛冶と、鉄インゴットなどから武器をつくる小鍛冶のうち小鍛冶だけでもできないだろうか。
「そうか。一つの物件だけで探そうとすると選択肢は限られるけれど、隣り合わせでも良いと考えればもう少しやりようがあるのね」
「はい。隣もしくは向かいや近所を許容いただけるのでしたら」
とはいえ、雨でも濡れない冬も寒くない1つの建物ですむというのはありがたいので、まずは大きな物件から順番に説明をお願いする。
「なるほど。確かにここは大規模商店ばかりが集まる場所に……」
「はい、ここで新規に店舗を出されるのでしたら、かなり品数を用意できないと見劣りするかと」




