アンダロフでの店舗探し
ドラゴレシエ国の王都アンダロフでしばらく滞在することを決めたユリアンネたち。
「まず決めるのは住むところね。店舗経営も再チャレンジするならば、そういうのを探さないと」
「モンタール王国の王都シャトニーでの店舗経営は臨時で開店して失敗しただけだったから、今回こそは!」
カミラとゾフィの意気込みがすごい。
「そうね。オリガ王女ばかりに頼れないし、まずは冒険者ギルドに相談に行きましょうかね」
「今回は、鍛冶設備がある場所でないと」
シャトニーのときにはドワーフの親戚の設備を借りていたヨルクが絶対条件として希望してくる。
「確かに、ヨルクが鍛冶をする前提で魔物の金属武器を集めて来たのだし、な」
「我々、冒険者ギルドは確かに拠点を求める冒険者に借家などを紹介できますが、職人の設備のある拠点の紹介までは……」
「そうですか。では、その設備を紹介いただける方へ紹介状などいただけますか?」
「銀級、銅級の皆さんが討伐依頼をこなしていただけるというのでしたら喜んで」
変な条件をつけられてしまうが、ここに滞在することになった理由は、これから増える見込みのイスクラディヤ国からの戦争難民の食料確保であるため、どうせ魔物退治をするのは既定路線である。
念のために、通常の家屋などの紹介について状況を聞いてみると、紹介可能な物件は多いとのこと。
やはりオンデンスク国からの侵攻に対抗して独立した国なので、その王都から逃げ出した者たちが住んでいた物件が余っているらしい。
オンデンスク国と休戦になっても人は戻っていないとのこと。
「難民がたくさんたどり着いてくる前に探した方が良いということね」
「私たちが探すような物件を求める裕福な人がそれほど避難してくるか分からないわよ」
「私たちってそんなお金持ち……になったのね。世間から見たら」




