孤児の行方の迷走2
オリガを見送ろうとしたが、宿の入り口で別れを告げられてしまう。
「それよりも、今後をどうされるか早めに話し合われた方が良いですよね」
「そうですね、ありがとうございます。お気をつけて」
「ダク、ロフ、ザナ。何となく雰囲気で分かったと思うけれど、この国での孤児院にお願いする話は簡単では無かったわ」
孤児6人のうち年長の3人にだけ話をするために、幼い子どもたちはゾフィやジーモントたちが遊び相手をしている。
「そうか、ま、仕方ないな。じゃあ、ここでさようならか。いいぜ。ここも一応は王都なんだろう?ここで何とか生きていくさ」
「ダク。残念だけど、豊かだった港街のセントヤールと違って、この街は豊かではないから、難しいわよ」
「じゃあ、セントヤールに戻してくれよ!」
「ロフ。気持ちは分かるけれど、あそこは戦争の真っ只中よ。あの小さな子どもを連れて逃げ惑うことはできないわよ」
「……」
「で、どんな選択肢が残っているんだ?」
「そうね。ハンソク王国に行くのはあちらの言葉を覚える必要があるわ。ゾリヴィヤ国に行っても、同じように隣のハンソク王国に攻められる可能性が。オンデンスク国に行くと、兵士になる訓練を受ける以外に、イスクラディヤ国の出身とばれたときにどんないじめなどにあうか……」
「……そうか。あの子たちが絶対に食っていけるのは、オンデンスク国か。流石に幼子をいじめたりしないだろう」
「ダクなんてすぐに成人だから、生まれ故郷に攻め入る兵士になってしまうのよ?」
「それでもアイツらが食っていけるならば!」
「ちょっと落ち着いて。ロフとザナもダクを抑えて。今すぐに決めなくても大丈夫だから、3人で落ち着いて考えて」




