王都アンドロフ2
「お久しぶりですね。もう会えるとは嬉しいですわ」
まさかの王女オリガが1人で宿に訪れて来たのは、王都についた翌朝に街の中心部の建物に連絡をお願いした、その日の夕方のことである。
「いやいや、王女様でしょう?もう少し色々とあるのではないのですか?」
「カミラさんは相変わらずですね。でも、ユリアンネさんからのご連絡ですから」
「え?私?」
「はい、トリアンに向けての旅の中で、一度はこの国を出国されたのに戻られた。何かあったのかと思いますよね。でも、この子どもたちを見て何となく理解しましたわ」
「でしたら話は早いのですが、孤児院はこの国で存在しているのでしょうか?」
子どもたちとは少し離れたところに移動して、具体的な話を始めるユリアンネとオリガたち。
「はい。ですが、道半ばで、ご期待とは違うと思います」
「どういうことでしょうか?」
「この国は、北方のオンデンスク国の侵略に対抗するために建国しました。ですので、兵士として戦った方々の遺児のためで精一杯でして……」
「なるほど。他国からの避難民、それも孤児を預かる余裕はないと」
「申し訳ありませんが、自国での他の孤児すら保護できていない状況でして」
「もちろん、金銭的な補助はさせていただきます。そちらで食費や、面倒を見てくれる方、それこそ戦争で未亡人になられた方を雇用して頂くのはいかがでしょうか」
オリガの方が14歳のダニークより年下な上に、見た目には12歳よりも幼く見える子どもであり、さらには他のお付きの人もいない状態である。
そのためダニークたちは不思議な顔をしながら遠目にこちらを見ている。




