ドラゴレシエ再入国3
孤児でも年上の3人にゴブリンの解体を経験させた後は、角兎を何体か狩って来て、そちらも挑戦させる。
「今度は討伐証明の切り離しと魔石の入手だけじゃないからね」
「そう、肉は食べられるように上手く分けるんだよ。それに皮も上手く加工すれば売れるから」
「このドラゴレシエ国は魔物の間引きが全然できていないから、冒険者になって角兎を狩れば皆に喜ばれるんじゃないか?」
「もぉ、うるさいな!集中させてよ!」
弟や妹ができた気分になっていた仲間達。ついつい、あれこれ口出しをしてしまうが、子どもたちは目の前の解体に必死である。
「ごめんね。でも、ザナは結構うまいじゃない」
「私は、とってきた鳥をさばくのを良くやっていたから」
「俺だって、とって来た魚なら上手くさばけるんだぞ」
「いやいや、ロフの解体はぶつ切りにするだけだろう」
ダニーク以外で解体をしている年長の子は、女の子のザリーナと男の子のミハイロフ。それぞれザナとロフと呼ばれている。
「気にしなくて良いのよ。最初から上手くできるわけがないのだから」
皮革屋の娘で皮の加工を意識しながら解体することに慣れたゾフィが、再び見本を見せた後、3人それぞれのやっているところに少しずつ工夫点を教えて行く。
「よし。それっぽい肉の塊ができたら、次はスープに煮込むのを教えてやるぞ」
料理なら任せておけと言わんばかりのジーモント。かなり張り切っている。
「肉なんて適当に煮込んだら味が出てくるだろう?」
「いや、間違えてはいないが、ちょっとの工夫で美味しくなるんだぞ」
「確かにジモの飯は美味いよな」
逆に子どもに乗せられながら、いい気分で指導している。




