イスクラディヤ国内3
子どもたちの服装の問題は解決したが、食堂での食事、そして入浴など問題は次々と発生する。
「食事のマナーは簡単に教えられないから、屋台での買い食いが良いな」
嬉しそうにヨルクが言い出す。
「本当は順次教えてあげたいけれど、そうね。屋台ね。はぐれないように班分けをするわよ」
大人たちとの組み合わせで分けながら、夕食は屋台の焼き串などになる。
「なんか楽しいね」
ただ、孤児の子どもたちは屋台で買い食いをすること自体の経験がなく、目についた好きな物を食べられることを楽しんだようである。
風呂に他人と一緒に入るにはマナーも教えないといけないので、宿屋の共同浴場の使用は残念ながらあきらめて、ユリアンネによる≪洗浄≫魔法で終わらせる。
ただ、これも今までにない経験であり、孤児達はかなり喜んでいる。
「髪の毛がサラサラ!」
「肌もスッキリして、ベタつかないよ」
昨夜も森で野営する際に喜んでいたが、新しい寝巻きで余計に違いに気づいたのであろうか。
「オネショしないように、寝る前にはトイレに行くのよ」
その習慣は、あの隠れ家の住処でも年長の子がしつけていたようである。
「今日は楽しかった。また明日もこんな日が続くのね」
寝つかせる前の小さな子どもの素直な発言に、ダニークは嬉しそうである。
「そのうち別れるのだろうけれど、こいつらに楽しい思い出を作ってくれてありがとうな」
照れながらそう発言したダニークはすぐにベッドに潜り込んで顔を隠している。
まだまだ子どもを持つ年齢でない仲間たちも、小さな弟や妹ができた感覚か、心が暖まる感じになる。




