セントヤールでの宿泊
孤児のダニークに食べ物のお土産を少し持たせて帰らせた後に、シミリートとユリアンネが確認して来た航路の話を共有する。
「そう、仕方ないわね。ま、もともとは陸路を続けるつもりだったのだし」
「じゃあ、買い物に戻ろうぜ。ダニークの仲間たちの分も買わないと」
「って、ヨルクはしっかり買い食いしたでしょう?今度は私たちが留守番だからね」
ゾフィに注意されるヨルク。
「じゃあ、ヨルクとゾフィは馬番をしておいてね。私たちは宿を探してくるから」
カミラとジーモントが宿を探しに行き、まだ屋台を楽しんでいなかった4人が買い物に向かうことになる。
そして戦馬も泊まれる宿屋を決めた後は、海鮮料理を食べられる店で夕食をとる。
「ねぇ、今さらだけど。このセントヤールの街は、みんなが元気ね」
「確かに、今までの街に比べて覇気があるよな。海の男たちは命を張っているからかな」
「一部は軍港になって、海軍も居るみたいだったわね」
「それに港があって他国とのやりとりをするからかもね」
「首都のザリノフカはどうなんだろうね」
「この後に向かうかどうかってことよね」
「このままこのイスクラディヤ国を抜けて次のルノレシエ国に向かうならば、無理に寄らなくても良いのよね」
「少し北に寄り道する程度ならば、歴史のある国の首都だし買い物する価値のあるものを売っている期待はあるけれど」
「そうだね。もしも街に元気がなくても、売り物は関係ないものね」
「おっ、あんたら旅人か?ザリノフカに行くのか?」
「だったら、あの建物を見るのは絶対だぞ。なんて言っても歴史があるからな」
声が聞こえていたのか、近くの酔客が首都のおすすめスポットを次々に話してくる。
仕方がないので話を聞いていると、なんだかんだと自国のことを好きなことが伝わってくる。




