ゴーレムダンジョン踏破
「もう動けない。休ませてね」
アイアンゴーレムが倒れるのを確認したユリアンネは、王級魔法の連発での疲労を回復するために壁に寄りかかって座り込む。
「この素材はなかなかだな」
ヨルクがアイアンゴーレムの素材の品定めをしながら、胸部の魔石をなんとか取り出している。
「じゃあ、魔法の袋に全部収納していくか」
通常の人間より少し大きいオーガぐらいの大きさであったので袋に収納はできたが、最近は連続してダンジョン攻略をしているので、いくつかの素材は売却をした方が良いと思われる。
「あ、ダンジョンコアがあったわよ。レイスがいたダンジョンぐらいかしら」
このダンジョンは前回にコアを取り外されてから時間も経っていると思われるので、それなりに魔力が溜まっていると想像される。
「それより、宝箱よ」
「金属武器、魔剣かもな」
ゾフィやシミリートが楽しそうにしているが、ユリアンネは目を開ける元気がなく、聞き流している。
「あ、これは」
「魔導書ね。ユリ!魔導書よ」
気にはなるが、もう少し休ませてとの返事をする。
「あら、これは!」
手元までゾフィが持って来てくれた魔導書をようやく読む元気が戻ったユリアンネ。
表紙からパラパラとめくり出すと興味が止まらない。
「ユリ?」
「これは、ね。ウッドゴーレムを作り出す≪木人≫という魔導書だわ。木材と魔石があれば作り出せるみたいね」
「おぉ。スケルトンやゾンビを作り出す死霊魔法よりも、他人の目を気にしなくて良さそうだな」
「そうね。そうよね!なかなか使い所が多そうじゃない」
カミラも嬉しそうである。
「ま、何にせよ、これでこのダンジョンも攻略だな。また食事休憩をして戻るとしよう」




