ゴーレムダンジョン2
「ユリ、また魔力の補充を頼むよ」
ストーンゴーレムに対して遠慮なく≪剛撃≫のバトルアックスを使用したヨルクが、ユリアンネに頼んでくる。
「確かに、悪魔の依代にすると、消耗を気にしなくて良いのはありがたいな」
普通の武器を使ってストーンゴーレムを倒そうとすると、何本もの替えの武器を用意する必要がある。特に刃の付いているような武器では。
ヨルクのバトルアックスも、斬るというよりも叩きつける攻撃になるので、ストーンゴーレムのような敵には効果が高い。しかしそれでも刃があるので傷む。
ウォーハンマーのような刃のない武器でないと気軽に使用できない。
「サンダーの≪修復≫の刀は良いわね」
「このような魔道具は貴重ですね。でも、まさか悪魔の依代にすることで、その武具の修復をさせるというのは驚きの発想ですよね」
「なぁ、ユリ。俺の槍にギアマを移せないかな?」
「ヨルク、大丈夫?」
もともとはツキノハラで短刀にギアマの依代にさせたかったのは、刀の傷みを気にしたヨルクの要望であった。
「あぁ、シミの槍が気楽に使えるようになる方が良いよな」
ヨルクの了承も得られたので、ギアマの依代は短刀から、シミリートの≪刺突≫のショートスピアになる。
「うわ。長さもあるから、柄まで黒くなると目立つな」
「でも、これで消耗を気にせずに使えるなら」
「シミ。武技が使えるのだから、魔力の補充は自分でもできるわよね」
「そんな。ユリ。俺の武器にも魔力を」
「私も≪炎槍≫などで戦うのだから魔力は節約するわよ」




