ゴーレムダンジョン
最後と言われて到着したダンジョン。
ここは先の“獣ダンジョン”に比べて冒険者も少なかった。
「ここが終われば、オリガちゃんを解放してくださいよ」
「俺たちも詳しいことは知らないが、そうなるだろう」
兵士と別れてから、冒険者ギルドの出張所と思われる小屋に向かう。
「あら珍しい。強そうな方々が」
「どういうことだ?」
ギルド職員が言うには、ここはゴーレムばかりが出るダンジョンで“ゴーレムダンジョン”と呼ばれているらしい。
しかも、最初はウッドゴーレムであり、倒すと木材という素材や最悪でも薪になるため、少しは狩りをする意欲があるが、それより先は泥のマッドゴーレム、石のストーンゴーレムとなり、素材にありがたみが無いため人気がないとのこと。
「確かにストーンゴーレムは、武器も傷むから嬉しくなかったよね」
ツキノハラでの戦闘を思い出す。
それでも、魔物を狩らないと魔物氾濫が怖いため、高い報酬を用意して冒険者を集めていたこともあるらしい。
素早さが売りの冒険者があまり戦闘をしないようにして、ダンジョンコアを取ってくることだけを目標に潜ったという話もあるとのこと。
「そんな攻略方法もあるのね。でも、そういうことは地図はちゃんとしたものが売っているのよね?」
「それが。その方々は、地図を販売する報酬よりも、都度の高報酬が欲しいとのことで……」
「はぁ。そういう選択肢もあるわね。で、その人達は今はいないと」
「はい……」
低品質と言われた地図ではあるが、それを入手してダンジョンに臨むことにする。




