獣ダンジョン
「もう分かっているようだが、今度はここのダンジョンを踏破し、ダンジョンコアを持ち帰ってくるのだ。これまでのように、魔物の素材やコアはお前達のものにして良いから、あくまでもダンジョンコアを持ち帰ることが指示となる」
この国で出会った少女オリガのことが心配ではあるが、ダンジョンから魔物氾濫が起きないように魔物を間引くことをさせられている認識もある。
魔物が溢れると普通の住民達が被害にあうことも理解している。
「……わかりました。最初のダンジョンのようにそこの受付の方と話しても良いですよね?」
「あぁ」
「では、そのまま攻略に入ります。その間にオリガちゃんからの返事を用意しておいてくださいね」
シミリート達は、他の冒険者達もいてその近くに冒険者ギルドの出張所と思われる小屋も建っているダンジョンに連れて来られたのである。
「あら、見ないお顔ですね」
「あぁ、よそから来たんだ。でも、急いでこのダンジョンを踏破したい。地図や情報を売って欲しい」
「あら、頼もしいことですね」
受付嬢もシミリートの強気発言を冗談と思ったようで、本気にはしないまま必要な情報などを提供してくる。
このダンジョンは獣の魔物ばかりが出るので“獣ダンジョン”と呼ばれているらしい。そしてここも昔は踏破する人がいたが、戦争のおかげで戦力がいなくなり、今の冒険者達は1階程度しか入れていないとのこと。
「広いことだけが問題で、3階層しかないらしい。草原や森林エリアだと」
「で、魔物の強さは?」
「ありふれているのはCランクまでらしい。ダンジョンボスはもしかするとBランクなのかも」




