人型魔物ダンジョンの悪魔2
「で、封印の解き方を教えてくれる?」
広間に移動したところで、ギアマの目の前にデメテルの女神像を見せて確認する。
「一番簡単なのは、この女神像を壊すことだな」
「いや、それはやめておきたい。この女神像なんかを壊すと、後で何を言われるか」
「はぁ。我ら悪魔は封印される方なのに、その解き方を聞くなんておかしいだろう?」
「あ、知らないのか?」
ギアマが素直にいうことを聞かないので、シミリートが別アプローチに切り替える。
「そんな訳がないだろう!」
「いや、言えないのは知らないだけだろう?情けないなぁ。じゃあ、ベリスにでも聞くことにしようか」
「我を役立たずみたいに言いやがって!」
「違うのか?」
「違うわ!良いか、よく聞けよ。その像に魔力を供給するんだ。封印ではなくその奥の封じられているものに対して」
「やってみるわよ」
ユリアンネが女神像に手を当てて、少しだけ魔力を流そうとしてみる。
「普通にやると、手前にあるもの、これが封印ね。そこに魔力を供給する感じがするわ」
「ねぇ、ユリ。その封印の強化をやってくれるだけでも良いんじゃない?」
「確かにカミラの言う通りだよな」
「いや、それで何年持つか分からないだろう?ユリだって封印のことに詳しいわけじゃないんだし」
「確かに。じゃあ、やっぱり悪魔を引きずり出して倒す方が良いわね」
皆の意見も揃ったようなので、ユリアンネは女神像でも奥の方に魔力を流し込むようにしてみる。手前の封印に邪魔されるのか、なかなか思ったようには行かないが、それでもだんだんコツがつかめてくる。




