人型魔物ダンジョンの秘密2
「おい、ギアマ。出てこい」
刀身も持ち手も黒い、悪魔ギアマが依代になった短刀にシミリートが命令する。
警告をして来たのはベリスであったが、契約もしているギアマの方が扱いやすいと分かっているからである。
「魔力はあげるわよ」
ユリアンネが魔力を短刀に込めると、小さなギアマが姿をあらわす。
「どういうことだ?」
「どうと言われても分からないけれど、ここにも悪魔が封印されているんじゃないかな。気配もそのものだし」
「お前みたいなのが世界のあちこちにいるということか?」
「昔の人間が、悪魔を倒して魔界に帰らせるまではできなくても、何とか封印した事例なら他にあっても不思議では無いよな。そこにも事例があるのだから」
ギアマがベリスのことを言ったのか、この場所のことを言ったのか分からないが、確かに事例は他にもあるようである。
「でも、一つ分からないわね。ツキノハラの場合、ダンジョンコアが神像にあったのよね。で、神像は悪魔の封印を強化するものだったと。今回、ダンジョンコアを取ってこいというのは、悪魔の封印を解けということ?」
「いや、命令の伝言が間違えているだけじゃ無いのか?」
「じゃあ、正解は?」
ユリアンネの疑問に答えられる者はいない。
「まずはこの祭壇を調べてみよう」
サンダーが、自分たちのツキノハラとの違いを確かめるように、封印しているならばその対象と封印を強化する何かがあるのかを確認しようというのである。
そしてそれっぽいものとして見つかったのは、壁のくぼみにあったダンジョンコアと、豊穣の女神デメテルと思われる女神像であった。




