ダンジョン踏破後3
馬車で移動して来たのはかなりの山奥であり、一般の冒険者が来ている気配のないところであった。
しかし、兵士の詰所が存在していた。かなり違和感がある。
「一般の冒険者には使わせない、軍だけの訓練場にしているのかな?」
「うーん、そうだと良いのだけど、何か見覚えがある感じがしないか?」
「そうか?」
サンダーの発言にシミリートはピンとくるものがない。
「今はちょうど昼だな。このままこのダンジョンに入って貰おうか」
「あの。詰所があるくらいなら地図はないのですか?」
「いや、わざと制作しないようにしている。経験者が付き添う前提だ」
「では、我々にもどなたかが同行されるということですか?」
「お前たちは本職の冒険者であろう?自分たちで何とかするように」
「はぁ。で、ここでもダンジョンコアを取ってくれば良いのでしょうか?」
「そうだ。だが、念のために言っておくが、最奥の他のものに手を出してはならないぞ」
「どういうことですか?」
「行けば分かる」
今ひとつ納得できる回答がないままダンジョンに潜ることになる“選ばれた盟友”の一行。
「仕方ない。色々と言ったところで、どうせやることは同じだ」
「そうね」
これ以上の情報を入手できる見込みがないため、8人はそのままダンジョンの入口と思われる洞窟に入ることにする。
「せめて魔物の情報くらいは教えてくれたら良いのにね」
「あの状態の相手から何か聞くのだけでも疲れるし、このまま進もうぜ」
「そうね。普通の兵士の訓練に使っているくらいならば、それほど強い敵もいないわよね」
「いいえ、レイスがボスのダンジョンが試験だったのだから、それ以上は覚悟しないと」
「ユリ、わかっているけれどそこまで言わなくて良いのよ」




