ダンジョン踏破後
推測通り4階層はDランク魔物のゾンビ、そして最終階層の5階層はCランクの幽霊であった。
「もうゴーストもレイスも怖くないよな。いざとなればユリの死霊魔法で同等のものができるのだから」
「あら、じゃあシミが1人で頑張ってみる?」
「いや、それはそれ」
そして推測通りダンジョンボスはBランクの死霊であり、魔法だけでなく魔法武器を揃えた仲間達が特に苦労することなく倒すことができた。
「拳大のダンジョンコアか。赤紫色も濃いし」
「やはり踏破する人が少なかったからかな。ほっておくと魔物氾濫しそうだったのかしら」
「その防止が目的だったのかな」
「そうだと思うのだけど」
帰り道は地図もあるので何とかその日のうちに入口にたどり着く。
外ではここまで送り届けてきた馬車で、衛兵が待機していた。
「どうぞ、これが踏破の証拠のダンジョンコアです」
「おぉ、これが。やはり冒険者としての実力はあったということか。では実力試験は合格であると報告しておく」
「あの、どういうことですか?」
「ん?ここの踏破だけが指示内容であると誰かが言ったか?あくまでも試験だと伝えたはずだが」
「そんな。せめてオリガちゃんが無事かだけ教えてください」
「それは私が所有していない情報になる。ここの踏破ができれば連れて行く場所の指示を受けているだけである。早く馬車に乗るんだ」
カミラが手元に返されたままの武器、ショートソードの握り手に手をまわそうとしたのをシミリートが自分の身体を目隠しにして衛兵に見えないようにしつつ、話を続ける。
「で、今夜はどこで寝たら良いのですかね?食事も」
「ん?またあの牢屋に戻りたいのか?」
カミラの殺気を感じるのでジーモントに目配せして抑えさせつつ話を続ける。
「では、私たちはどうすれば?」




