現地の少女
魔狼が発生した森を出ると再び平原になる。
引き続き街道で角兎を狩りながら進んでいると、遠くに城壁のある街が見え、すぐ前に木々で作った程度の塀の村が見えてくる。
ただ、皆の興味はさらに手前で、街道横で角兎を相手に戦っている少女である。
「この!この!」
危なそうに見えるが、小さい盾と剣を装備しているのと、少女に怪我は見えないまま角兎に傷が増えていくので、近くまで来ても見守るだけにしている。
「お!倒せたね。すごいね」
「冒険者なのかな?」
倒したと思えたところで、つい声をかけてしまう。
「!」
驚いた素振りで振り返る少女。狩ったばかりの角兎を取り上げられると思ったのか、自分の後ろに隠すのが見える。
「大丈夫だよ。取ったりしないよ」
「お姉さん達も冒険者なの。角兎くらいなら自分達でも狩れるのよ」
カミラも優しく声をかけるが、戦馬という普通より大きな馬に乗った大人8人が少女を見下ろしている状態のままである。
そのことに気づいたユリアンネは、手で皆に少し下がるように合図しながら、自分は下馬して何も手に持たないことを示すため両手を広げながら近づいていく。
「驚かせてごめんね。怪我はしていない?」
「うん」
「すごいね。1人で角兎を狩っていたの?」
「他に働き手もいないし、私が頑張らないと」
「え?今いくつ?」
「12歳よ。成人していなくても、これでも冒険者なんだから!」
木製の冒険者の証明を見せてくる。12歳にしては幼く見えるが、食の事情だろうか。
「お姉さん達も子供のときから冒険者になって、一緒に魔物を狩っていたのよ」




