ゴブリン退治の後2
ドラゴレシエ国の最初の街で、近隣に大量にわいているゴブリンを退治した一行。
冒険者ギルド以外の人にその功績が伝わらないようにしていたはずなので、最終日は静かに街の店舗を見てまわる。
想像通りではあるが、やはり食べ物の屋台も限られておりヨルク達の表情が寂しそうである。
魔道具や薬師の店も想定通りの結果であり、工芸品や被服の店舗も言わずもがな、でゾリヴィヤ国の劣化品のようなものであった。
「ま、仕方ないわよね」
「あぁ、想像通りで。あの宿屋の食事から推測された通りだよな」
「ゴブリン退治の結果が出るには時間もかかるだろうな」
「そのときにまた新たな魔物が増えているかもしれないけれど、そこまでは……」
「よし、見るものも見たし、このまま街を出よう」
後で見ておけば良かったと後悔しないために、念のために街の散策をしてみたのだが、それぞれその結果に納得したので、この街を出ることにする。
「冒険者ギルドと宿に挨拶はしたから、もう良いよね」
街の西門から出発し街道を進む。
「この辺りは私たちがゴブリンを片付けたから静かでしょう?」
カミラ達が初日と昨日に頑張った成果が出ているようである。
優先したのはゴブリンであったので、角兎はたまに見かける。
「街での食事状況を踏まえると、貴重な食料だ」
ヨルクの発言通り、角兎を見つけたら狩るという感じで皆も街道周りを索敵する。
実際に食事の話もあるが、少しでも魔物を減らしておけば住民の安全のためになるという気持ちもある。角兎を減らしておけば、この辺りの魔素が角兎を産むために消費され、ゴブリンなど他の魔物が産まれる確率が減る期待である。




