ゴブリンダンジョン2
「なんか飽きてくるわね、こんなに単調だと」
ダンジョンを進んでいる中でカミラがつぶやく。
「それは分かるが、じゃあテアと交代するか?」
「え、それは。ごめんね、テア」
ユリアンネが地図を書くことに慣れた仲間達は、自分で書くことを苦手と思っている。なので、ユリアンネがいない方の4人の中ではドロテアが地図を書くことになった。
「こっちはこのまま別れ道がないままであって欲しい」
「単調が嫌なのに、地図は書きたくないんだよな」
「ジモだってそうでしょう?」
しかしその2人の願いは叶わず、再び別れ道に遭遇してしまう。
「良いよ、自分が地図を書くよ」
2人の話を聞いていたサンダーが名乗りでる。確かにそういうことに向いている性格の順番では、そうなる。
「じゃあ、私はテアと進むわ。ゴブリンくらい、私のショートソードで倒してあげるから」
「そうか、じゃあ俺もサンダーが地図に専念できるようにショートソードを頑張るぞ」
「あまり数が多いようなら自分も参戦するから」
一方の4人組の方でも似た話が発生する。
「仕方ないわね。私が書くわよ。でも、ユリほどの精度は求めないでね」
「ヨルク、しっかりゾフィを守ってやれよ」
「分かっているさ」
こちらでも、ユリアンネの次の選択肢は、シミリートでもヨルクでも無いのは確かであった。ゾフィは弓が主武器なので洞窟では戦いにくい話もあるが、それ以前の話である。
「なんだかんだと奥が深いダンジョンだな」
「そうね。それに別れ道も多いし。さっきのも行き止まりでこうやって戻って来たけれど」
敵が強くないので遭遇しても問題にはならないが、それなりに長時間になり疲労は溜まってくる。




