ゴブリン退治3
「なぁ、これって」
山の頂上までに登るまででも何度かゴブリンを倒すが、特にゴブリン村らしいものを見つけることはできず、仕方ないので山の北側に向けて降りてきたシミリートとユリアンネ。
そこで発見したのは洞窟のような穴である。
「ちょっと待って」
シルヴィスを中に送り込むが、すぐに行き止まりになるようなことはなく、逆に3体のゴブリンが出てくるところを発見する。
「つまり、これがダンジョンの可能性もあるんだよな」
早々にその3体を片付けたシミリートが聞いてくる。
「そうね。灯りがないから奥までは分からないけれど、その可能性はあるわね」
「今から2人で入るには時間も遅いし、明日に改めて皆と来よう」
そして来るときとはできるだけ別のルートを通って街に戻るシミリート達。
「なるほど。もしかするとそのダンジョンがゴブリンを産み出して、しかも討伐する者がいないから魔物氾濫になった可能性があると」
仲間達もそれぞれ冒険者ギルドでゴブリンの納品をしながら情報交換している。
「ま、そう決まったわけではないけれど、可能性は一つ一つ潰しておいた方が良いだろうね」
山に向かった2人以外のところでも、普通に遭遇するには多すぎるゴブリンの数を倒して来たようである。ただ、やはり北側に向かわなかったヨルク・ゾフィ、ジーモント・カミラの2班の遭遇数が少なかったようである。
「じゃあ、明日は私たちがダンジョンの先を進むわよ」
「まぁ良いか。もし分岐があったらそこで手分けするつもりで8人そろって潜れば良いだろうし、短い洞窟だったらそのまま山の付近を殲滅するのに手分けすれば良いし」




