セファンの意図
最後に告発状の署名欄に、シミリートとユリアンネの直筆を求められる。
「何せ、銀級冒険者ですので、この国でもそれなりの発言力はありますよ」
確かに銀級、Bランク冒険者は下士官程度の扱いはされるというのは自分達の国でも同様であったので、銅級、Cランク冒険者や一般人よりも発言力があるのは理解する。
そして、2人が署名したところで、セファンが小声で話しかけてくる。
その意図を理解したと思われるフィジも小声で通訳してくる。
「先ほど私が尉官の旨を告げてもおそれる素振りをしなかったですよね。図太い性格というよりそれなりの経験があるのでしょう?従軍経験、いえ、それよりもご自身が軍組織に属していたのでは?」
フィジの話を聞いて、セファンの顔を見るシミリートとユリアンネ。
「図星ですか?いえ、まだその立場は残っていて、他国の情報収集ですかな?なるほど、そこまでではありませんでしたか。勘繰るようなことを失礼しました」
途中までの通訳を聞いての、シミリートの表情を見て、密偵の疑いは晴れたようである。
「しかし、あなた達のお名前。我が国の私掠船の者達を倒したと伝わっていますよ。北門の連中はそのような通達を見ないか、見ても覚えないようですが」
フィジの通訳を聞いて、明らかに驚いた顔をしてしまったシミリート。
「大丈夫ですよ。私からも積極的に周りに広めることをするつもりはありません。私自身、私掠船の仕組みは好きではありませんので。ただ、それはここだけの話。この国の中で目立つことをされると、気づく者が増えるかもしれませんよ」




