市場裏の賊2
路地での戦闘も終わりかけのときに、上空からゾフィのところへ舞い降りた男。
ダガーをゾフィの首元に押し当ててくる。
「言葉が分からなくても、意味はわかるよな?」
まずゾフィは自分が両手に持っていた弓と矢を地面に投げ捨てる。
一番近くに居たカミラも、手にしていたショートソードを地面にゆっくり置く。フィジはもともと手ぶらであった。
「そこのおっかない魔法使いの女達、お前達も杖をおけ」
言葉もわからないドロテアも意味はわかるので、しゃがんで杖をそっと地面に置く。
悪魔ギアマによる通訳で意味もわかるユリアンネも、ゆっくりとしゃがむ。
その後ろのシミリート、ジーモント、サンダーは横の路地からの賊を相手にしていて、ゾフィの様子に気づいていない。
「早く杖を離せ」
ユリアンネはしゃがんではいるが、まだ杖から手を離していない。
「早くしろ。こいつの命が惜しくないのか!?」
ギアマからの通訳で意味も分かっているが、動作をゆっくりにすることで、ゾフィにダガーを押し当てている賊の気を引く。
「ユリ?」
カミラ達もユリアンネの意図が分からず不安になる。
「この野郎!何してくれているんだよ!」
聞き覚えのあるドワーフ男の声が後ろからするのでカミラが振り返ると、背中に戦斧を叩きつけられて地面に倒れている賊の姿が見える。
「ヨルク!」
ゾフィがヨルクに抱きつく。
「ま、俺をほっていくからバチが当たったんだよ」
「あなたが勝手に屋台にでも行ったんでしょう!」




