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【書籍・漫画化】転生薬師は迷宮都市育ち  作者: かず@神戸トア
元薬学部受験生

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尾行

冒険者ギルドに納品した後、薬瓶の仕入れのためにカミラの実家の工芸屋に向かうユリアンネ。そのため、“オトマン書肆(しょし)”のあるエリアよりは庶民的なエリアを通行している。

ギルドには人の少ない昼間に納品に行ったため、まだまだ明るい日中という油断もあり、近道だが人通りのない細道に入ってしまう。


『あれ?』

そのおかげで、何故か少し離れたところに足音がついて来るのに気づく。

『いや、自意識過剰?でもさっきギルド職員にも注意喚起されたところだし……少し早足にすると足音も早足になった気がする。ここで駆け出してしまって、もし本気で追いかけられたら捕まってしまうだろうから、気づいていないフリで』

とは思いつつも気持ちがあせった早足のまま進み、カミラの工芸屋に駆け込む。


「ユリ、どうしたの?そんなに息を切らせて」

「ハァハァハァ……私の後ろに1〜2人ぐらい後をつけている人がいるかも……」

「え!?もしかしてアレかな。2人組が角からこっちを見ているわ」

「気づいていないフリで。ちょっと休憩させて」

一息ついてから、先ほどのギルドでのやり取りをカミラに伝える。


「もしかすると薬瓶の納品を見られたのかもね。確証が無いから尾行しているのか。で、ユリがどこかの薬師の店舗に帰ればそこが当たりだとか」

「オトマンさんのところに帰ると迷惑をかけてしまうわね。近所のヨルクとゾフィにもここに来て貰えるかしら。で、状況を説明してシミの勤務先に駆け込むとか」

「そうね。この状況で一人歩きは危ないわね」


裏口から出たカミラがヨルクとゾフィを連れてくる。話をした後、「じゃあ私が」とゾフィが先にシミリートが居るはずの衛兵の詰所に向かって裏口から出ていく。

尾行して来た冒険者風の2人が居ることを確認した上で、ユリアンネはカミラとヨルクの3人で工芸屋の正面口から出る。


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