市場での迷子3
港街セグンの市場で二組に分かれたあと、はぐれてしまった一行。その一方のジーモント達が賊に襲われながら、市場の入口の戦馬をとめた場所に向かっている。
もう一方のシミリートやユリアンネ達。
「おい、ヨルクはどこに行った?」
「あのバカ、勝手に屋台に行ったわね」
ゾフィが怒りながら屋台の方へ目をこらしている。
「ここでさらに分かれてしまうのは悪手よ。ヨルクはこの場所に勝手に戻って来るのを待ちましょう」
そう言いながら周りを見渡しているユリアンネの目には、市場とは別の方向で上空に火魔法らしきものを見かける。
「あ!ドロテアの火魔法かしら」
「何かあったのかもしれないな。ヨルクには悪いが、3人でそっちに向かおう」
「仕方ないわね」
ゾフィも理解してシミリートとユリアンネと共に、市場ではない方向の路地に駆け出していく。
3人が近づいていくと、奥で仲間達が賊を相手に戦っているのが見える。
「おい!こんな街中で戦闘するとは良い度胸だな!俺たちに一度負けた分際で!」
フィジも流石に今度は通訳する気にもなれていないので、シミリートが外国語で叫んでいるだけになる。
それでも雰囲気は賊にも通じている。
「ここは俺たちの街だ。よそ者のお前達に逃げ場はないぞ!」
「どけ!お前達なんて話になるか!」
後ろがユリアンネとゾフィで、前衛職がいないので、シミリートは短槍を遠慮なく振り回しながら目の前にいる賊を倒していく。
互いに言葉なんて分からなくても、意図は伝わるようで、言葉がヒートアップしていく。




