セグンの散策2
衛兵から解放された後は港側に向かい、海産物を購入するつもりの一行。
「これよ、これ。潮の香りというより魚の生臭さや海藻類の臭いよ」
迷宮都市トリアンでも港街に近いエリアで育ったカミラやヨルクは、港に近づくほど顔がにこやかになってくる。
ユリアンネも態度には出さないまでも、港の屋台などが楽しみになる。
「フィジ、細かい通訳は気にしなくて良いからね」
銅貨や銀貨を握りしめて駆け出す勢いのヨルクたち。ジーモントもそちら側である。
「いやいや、今の俺たちの状況ではぐれるわけにいかないだろう?全員行動だ!」
市場の入口の近くで、大きい戦馬を8頭とめる場所があったので、その店舗の主に銀貨を渡す。
「市場を散策する間だけ停めさせて欲しい。賢いから綱を結んでいかないが、悪さをすると仕返しされるから注意するように」
フィジに通訳させておく。
「じゃあ、いくぞ」
「シミリートも楽しみなんじゃない」
「そりゃあ」
昔、仲間達でトリアンのガラクタ市場に行ったような楽しさが思い出される。
大人が9人。揃って市場を進むには他人の迷惑になるし、それぞれが見たい屋台に体が引き寄せられるので、なかなかうまく進めない。
「仕方ない。俺とジモがそれぞれ中心に、2組に別れよう」
通訳ができるフィジを取り合いになるが、何かあったときにはユリアンネが悪魔ギアマに通訳させられることを踏まえて2組を考える。
フィジの方は、カミラ、ジーモント、ドロテア、サンダー。ユリアンネの方は、シミリート、ヨルク、ゾフィである。
万が一の場合には、ドロテアかユリアンネが上空に花火のように小さな火魔法を発動することを打合せする。




