セグンの衛兵2
「魔法使いがいるらしいじゃないか。杖を取り上げるのを忘れるなよ」
ずっとギアマに通訳させたままのユリアンネは衛兵の言葉を理解している。
武装解除として、とりあえず腰にある剣、斧、弓矢だけでなく杖などを衛兵に渡していくシミリート達。
幸いに、背負い袋や魔法の収納袋までは没収されていないので、いざとなれば何とかできる気はしている。
戦馬達も、主人が大人しくしているのを見ているからか、特に乱暴をされていないのでそのまま衛兵に従って移動している。
「どうしてこんな理屈に合わないようなことを……」
衛兵達の顔を見ていると、渋い顔をしながら行動している者もいるので、納得できないまま上役の指示に従っているのだと思われる。
その顔をずっと見ていると、後ろめたいからかすぐに顔を逸らすので、その推測はあっていると思われる。
一方、この10人ほどの分隊の分隊長と思われる男は、こちらの顔を見るとニタニタとしてくる。
「なるほど、こいつか」
シミリートは行動や、階級を示すと思われる腕章の様子を見て確信する。
幸いにして捉えてあった盗賊達15人をこの城門で解放することなく、同じく衛兵の拠点に連れていく気配である。
分隊長らしき人物が、盗賊の仲間“黒き帆の兄弟団”から代償を貰ってから引き渡すつもりなのかと想像される。
城門の近くであった衛兵の拠点で、牢屋ではない部屋に入るように指示されるシミリート達。
「ここで待機ということか。全部の荷物を取りあげないことも含めて、完全な犯罪者扱いをしていないという言い訳のためなのだろうな」




